ゼロの視点
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2004年05月31日(月) ブチ切れ

 本日は、再び母とかかりつけの病院へ。新大久保の駅を降りて、病院までの道を進んでいくと、母が同じ世代くらいの人に突然声をかける。

 ????、と思って相手の顔を見ると、なんとそれは母の3歳下の妹・N叔母だった。またしても、奇遇な再会。N叔母は先日の検査の結果を聞くために病院へ来たようだった。

 そこで、N叔母を説き伏せ、母の診察が終わるまで待ってもらって、その後新宿でランチすることにした。

 今日の目的は、先週の母の知能テストの結果と、医者曰く本当に母の脳に器質的な問題が見当たらないのだったら、脳外科に通う意味もないわけであり、それに際して、転院するための手続きを頼むことだった。

 日本の病院は、痴呆は精神科。で、現在の母には欝的なものからくる仮性痴呆の疑いもあるので、とにかく精神科に私としては移りたい。おまけに、介護保険申請をするにしても、かかりつけの精神科医をみつけたほうが何かと便利ということも学んだので、すべてのことを洗いざらい担当脳外科医に話す。

 “あんた、本当によく喋るわねぇ・・・”と半ば母をあきれさせるほど、きちんと医者に説明した結果、相手のほうも、こっちの状況をよく理解してくれたらしく、明日までに転院に際してのすべての資料(脳のMRI写真含む)および、医者の意見書を早急に用意してくれることを約束してくれた。

 ここまでコトを進めるつもりで里帰りしている私。ま、すべては予定通りとはいえ、自分的には、もう3週間近くこれだけに時間を費やしているので、ちょっとイライラ。長い目でみれば、まだ順調に進んでいるほうなのだろうが・・・。

 たかが3週間、されど3週間と自分に言い聞かし、ポジティブに考えるように納得させるのだが(苦笑)。これが、日本に常時住んでいる身だったら、もう少し気分的に余裕があるのだろうが・・。

 が、しかし、だ。これもある意味、思い込みなのだろうと気が付く。というのも、確かに私は日本から直行便で11時間かかるところに住んでいる。が、会社員でもないし、子供もいないからこそ、時間さえ調整すれば長期間実家に戻ることが出来る。

 が、たとえ日本に住んでようとも、仕事だの子育てだの、フルタイムで忙しい人はたくさんいるはず。実家から程遠くないところに住んでいてさえも、なかなか自分の親だけのために数週間を過ごせるか?、といえば本当に難しいことなのだと思われる。

 
 フランスは家政婦(時給制)を比較的安く雇うことができる。で、現在、パリでヤモメ生活を送っている夫は、友人の紹介とやらで、廉価で働き者という家政婦をみつけ、時々掃除などをしてもらっているらしい。

 夫曰く、このアパルトマンに住んではじめてといえるほど、家の中がキレイになってしまったらしい(笑)。夫は感動しすぎて、たくさん記念写真を撮っているほど・・・・、と本日の時点でまだ夫と奇妙な同居をしている友人が教えてくれた。

 ま、そんな感じで、自分のスケジュールさえなんとかなれば家を空けておいても平気な状況があるというものまんざらでもない。



 
 さて、母は、“ああ、わたしだったら夫をこんな長期間独りにさせておけるほど薄情じゃないわ・・・”とほざく。もちろん、その瞬間キレル私。で、口から出てきた言葉は、奇しくもばばあっ。

 先月、さんざん自分の姑に対してばばあと連呼した日記を更新していた私だったが、今度は国を変えて自分の母に対して、ばばあをキレル時がきたっ!!。

 実は、母の母、つまり私の祖母は1992年の秋に痴呆の果てに、90歳で他界した。祖母は、母の末の妹宅でずうっと同居していたが、徐々にボケがはじまり、いよいよおかしくなった時に、自宅にかかりつけ医を読んで知能テストをした結果、完全な痴呆になっていたことが発覚。

 テストとほぼ時を同じくして、祖母は自宅で骨折。そして入院。あとはお決まりの完全なる痴呆へまっしぐら。それでも、ボケでまでしてプライドが高かった祖母は、入院してもあまり食事にも手をつけず、断食するように徐々に肉体も弱っていき亡くなっていった。祖母としたら、そこまでして生かされたくなかったのだと、私は解釈している。

 祖母は、自分の末娘とその夫&孫3人と暮らしていた。そこに、わしの母や、本日病院でばったり会ったN叔母などがちょくちょく実母の様子を見に行くという生活が基本パターンだった。

 しかし、言い方をかえれば、そういった末妹の存在があったために、実家を簡単に離れることができたといえる母の立場を私は見逃さないっ。たしかに、彼女の夫、つまりはわしの父は性格的にクセモノだったけれど、夫にかかりきりになれるほど、実家を放置できる母と私の立場はちと違う。

 そんな違いに目も向けず、母の口からポロッと出た言葉が、前述の、“ああ、わたしだったら夫をこんな長期間独りにさせておけるほど薄情じゃないわ”・・・・、だ。


 もうこうなると、母がまだらボケだとか欝的かもしれんという状況は、どうでもよくなってしまう。

“あんたは、自分の親が同居していることで安心しすぎてたんじゃないか?”

“同居家族なりの解釈もあるから、色々なことがいえなかったというのは言い訳じゃないか?”

“もし自分の母親が、奇妙なことを言い出したら、自分の判断だけでもっと早く医者に診せることができたんじゃないか?”

“痴呆の初期ですと言われたとしても、そこで、自分の母親をただの役割以前にもっと知ろうとしたのか?”

“おばあちゃんにとっての生き甲斐というものを、本当に理解しようとしてたのか?”

等とポンポンと口をついで出るフレーズ。

 そんな私を前に、母はタジタジ。もしかしたら、こういったショックがもっとボケを悪化させるのかもしれないが、もうそんなの構っちゃいられないっ。ばばあぁぁぁぁぁぁあっ。


 とはいえ、アタマにきてもしょうがないので、気分転換にペットショップに行ってみた。そこには、お買い得品としてバーニーズマウンテンドッグの子犬がいた。

 信じられないほどかわいいっ!!。

 が、これは40キロ以上になる大型犬だ・・・・・・・・・。

 72歳の母親に託すには、ちと問題が・・・。

 ああ、でも、こんな狭いショップの檻に入れられている子犬を見ると、金を払ってでも救ってやりたい気持ちになってくる。それほど、かわいい子犬だったのだ・・・・・・・・・。

 里犬探しのところもあったってみたが、独り暮らしの高齢者にはあまり譲ることはしたくないらしい・・・・。

 私は個人的に、雑種フェチ。どうなるかわからない(サイズを含む)ところと、オリジナルなところが私を虜にする。純血種はあまり興味がないのだ。もし、純血種にまでこだわっても欲しい犬種といわれれば、シェパード、ラブラドール、そしてバーニーズマウンテンドッグに秋田犬と、すべて大型犬。

 故・愛犬マルチンのサイズは中型犬。洋犬の地が混ざった非常に運動量の激しい雑種だった。で、マルチンの信じられない足腰の強さと、サイズを考慮し、純血種を探すとなれば、一番近いのがボーダーコリーになる。あの、フリスビーが得意な犬種だ・・・・。

 奇しくも、母も同じで小型犬は好きではない。でも、年齢的に大型犬は無理となれば、中型犬で扱いやすい犬種になってくる。マルチンの面影を残すボーダーコリーは、今の母では難しい可能性が濃厚。しかし、かわいい・・・・・・・・・、ああっ。

 シェルティでもいいか・・・・、と思いしばらく観察していたが、どうも泣き声が甲高い。中型犬といえど、小型犬に近い泣き声に私は感じだ。その点、故・マルチンは声が意外に低かったので、気が付くとそれに近いものを探している私達。

 そして、あらたに候補になったのが柴犬、だ。できればオスよりメスが欲しい私達。さーーて、私の里帰り最中に、柴犬のメスと運命の出会いができるのだろうか・・・・・・?!?!?!。


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