ゼロの視点
DiaryINDEXpastwill


2004年02月14日(土) 魚の骨

 夜8時頃、軽く自宅で夕食を取ってから、11頃から盛り上がりを見せるだろうパーティーへ行くために、準備していた。

 私は、干物とごはん、それに味噌汁。夫には、昼の残りのシュークルートを出して、つつがなく夕食が済まされるはずだった・・・・・。

 以前、私の人生ではじめて作った干物を見事に夫に食われてしまった経験をして以来、自分だけで干物を食べることにした私。それに、干物とごはんだけじゃ、どうせ燃料切れになる夫には、シュークルートを山ほど食べてもらったほうが効率がいい。

 が、いい気になって私は干物をガツガツ食べていた。

 すると・・・・・、咽に違和感・・・・・。

 ?????

 ま、たいしたことないや、と思い、また干物を食べつづける私。が、まだ咽に違和感・・・・・。なんだ、なんだ?!?!?!。


 そのうち、じわじわと咽が痛くなってきた・・・・。どうやらアジの干物の骨が咽の奥に刺さってしまったようだ・・・・(涙)。

 夫にはこのことを言いたくない。だから、何気ないふりして、骨がとれそうなこと、つまりはご飯丸呑みとか、顔色変えずに何度もトライしてみたが、まだ痛い・・・・・。

 さすがに、私が神妙になって、ごはんばかりを食べている姿を不思議に思ったのか、夫が“どうしたの?と尋ねてきた。そして、不覚にも素直に、“骨が・・・・・っ”と話すと、口元を片方だけあげて、二ンマリとする夫。

 ご飯を丸呑みしろだとか、フランスだとこんな時、パンを丸呑みするのだっ!!、などと彼は言い出し、炭水化物ばかりをテーブルに並べ始める・・・。が、もう夕食が終わりかけの頃ゆえ、おなか一杯・・・・。

 食えん・・・・・・・・・。

 と同時に、もし骨がこのままとれなかったら?!?!?、などと“骨が咽に突き刺さったままの今後の人生”などを想像している私。特に、月曜日からはトルコ旅行。旅行中に、咽がどんどん痛くなって、現地の病院でアホみたいに大口開けて、オエっ、オエっと涙流しながら、医者に骨を抜かれている自分の姿を想像すると、悲しくなってくる。

 36年間の私の人生の中で、生まれてはじめての経験。なんで、日本でも数えきれぬほどに魚を食べて生活して、一度も起こらなかったことが、旅行やパーティーの直前、それもフランスで発生しなきゃならんのだ?!?!?!、と怒りさえ沸いてくる。

 妙に情けない顔をしつづける私を見ながら、夫が申し訳なさそうに、とはいえ、堪えきれぬ笑いを押し隠しているのがわかる・・・・・。くそうっ。干物を一人占めにしたツケか?!?!?。

 夫がレンヌにいる外科医のいとこに電話。状況をとりあえず、夫が話し、続いて、私からもどのように痛いのか?などと説明。彼曰く、明日まで痛みが続いたら、夕方にでも病院へ行って、骨を抜いてもらうように、とのことだった。とにかく、様子をみること、とはいえ、別に神経質にならないように、とも言われた。

 電話のあと、そうか・・・・、わかった。もう考えないことにしようっ!!、と心に決め、出かける準備をしはじめた。シャワーを浴び、念入りに身支度することだけに集中しているうちに、すっかり骨の存在を忘れることができた。

 そして、気がついたら、咽の痛みおろか、違和感すらも本当に消え去ってしまったいた。どうやら、私は救われたようだ・・・・・。


Zero |BBSHomePage

My追加