2004年10月25日(月)
『胸を叩くのは何ですか?』−桜島ライブ(49) text 桜島”オール”内藤
「長渕剛 桜島ライブに行こう!」のエンピツ日記、 今日、2004年10月25日、75,000アクセスを超えました。 毎日ご覧いただいている500人弱の方のアクセスが積もり積もって、 こんなスゴイ数になりました。ありがとうございました。 ラストまでもう少し、お付き合いいただけると幸いです。 ちなみに写真はThank you Tシャツのバックプリントを加工したものです。
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M-34 電信柱にひっかけた夢 −アルバム『JEEP』(1999)−
第3部のオープニングを飾った、 『女よ、GOMEN』で、懺悔を終えるやいなや、 まったくブレークなしで、 2曲目が始まりました。
バンバン、やるぞ! ガンガン、行くぞ!
といったところでしょうか。
そのメロディは、 ゼッタイ聞き覚えがあるんだけど、 よーく、聴いている曲なんだけど、 なんだっけ!? なんだっけか!?
ああ、ここまで出かかっているのに! じれったい!
記憶も電信柱にひっかかる、 そう、『電信柱にひっかけた夢』!
ええっ! そう来ますか!!
意外、意外、意外でした。 まだまだあった、サプライズ! もう、残り時間も少ないし、 誰もが納得の曲しかやらないと思ったら・・・ このごに及んでも、まるで油断ならないライブ!
実に寒い 夜だった 貨物列車の 通り過ぎる音がした これが最後と 腹に決め 26のたくらみから 足を洗った
あと何曲やるんだろう・・・ 5曲?10曲? といった、不安な気持ちは、 見事に消えうせていました。
全然、ラストが近い気がしない。 ここで、『STAY DREAM』『桜島』ときていたら、 あ〜終わりかあ〜・・・ という気にもなったけど、 『電信柱にひっかけた夢』だよ! こういうサプライズなら、大歓迎! テンション、上がる、上がる!
新聞配達の 自転車の音がした 酒の飲めない俺は 食パンをかじった 錆びた十円玉を ひっくり返し ついてねえやと やぶ睨みした 明け方の東京
この曲は、JEEPツアーで聴いたきり、 まったく演奏されていない曲でした。 比較的、地味な印象のある曲です。 CDでも、ライブでも。 それなのに、この桜島で、 しかも、第3部という、いい位置に持ってきた・・・ またしても、深読みしたくなるんだよなあ。
できるものなら、剛に聴いてみたいよ。 どうして久しぶりに『電信柱』?、と。
それにしても、 JEEPツアーのときはただ聴いているだけだったけど、 今は拳を上げて、歌い、叫ぶ。 あの地味な『電信柱』で、 こんなにも盛り上がれるなんて!
生き恥をさらしても 裏街道は まーっぴらさ! ごめんよと 詫びを入れ お前住む街へ 引っ返す 東中野の 駅前に ああ 突っ立ったまんまあーーっ!
電信柱に ひっかけた夢! 未練たらたら ひっかけた夢!
その答えは、アレンジにあったように思います。 特にドラム! ガン、ガン、ガン、ガン!と、急かすような、 ドラムのリズムにあおられて、 盛り上がっている自分に気がつきました。
生き! 恥! をさ! らし! ても! 裏! 街! 道! はー! ま−っ! ぴーら! さー!
文字にするなら、こんな感じ。 ビートに乗って、なんとも痛快無敵な、 『電信柱にひっかけた夢』でした。
それにしてもこの歌・・・ 考えるまでもなく、暗い歌詞の歌です。 東中野なんて、マイナーな駅名が出てくる。 いくら新宿に近いと言っても、東中野だよ。 僕も何度か降りたことがあるはずだけど、 何も思い出せないようなところ。
そんな場所の名前が使われていることから、 実話の匂いがプンプンする歌です。 剛が昔、ほんとうに住んでいたのでしょうか。 そう思えて仕方ない。
新聞配達、貨物列車、酒の飲めない俺、 食パン、錆びた十円玉、東中野、 電信柱、公衆電話、ガンバレや、 抜き差しならない街、抜かれる背骨、あぶく銭・・・
こうして、あらためて聴いてみると、 剛らしさ満点の言葉がびっしり詰まっていて、 拳を上げながらも、僕は感心してしまう。
こういうわびしい歌詞なのに、 絶叫、合唱、アップテンポ。 こんな歌、長渕剛以外に誰が歌う!
比類なき音楽ジャンルをひた走る剛。 それにしても、どうして『電信柱』だったんだろう。 どんな思い出がこの歌にあるのだろう。
剛がその昔、 電信柱にひっかけたという夢、 その夢に・・・ ヒントがあるような気がします。
おーれの胸を たーたきやがる! たらたらとーっ! 胸を たーたきやがるーーう!
まるで今も胸を叩かれているかのように、 未練たらたら、情感こめて歌う剛でした。
電信柱に引っかかった夢。 いつまでも・・・いつまでも・・・ あきらめきれない夢に胸を叩かれる日々が、 かつては本当にあったのでしょう。 あきらめなければ・・・。 でもどうしてもあきらめきれない。
そして、やがて剛は、 あきらめてはならない、 夢はけしてあきらめてはならないのだと、 強く思うようになったのでしょう。
そうです。 『電信柱に引っかけた夢』の向こうに待っていたのは、 終りのない迷路のような人生であろうとも、 暗闇の中を手探りしながらであろうとも、 けして夢をあきらめてはならないんだと歌った、 あの力強く優しい、究極のメッセージソングでした。
続く
<次回予告> 第3部のテーマは全力疾走。 これまでとはうって変わって、テンポよく曲がこなされていく。 そして、ついに剛の血液のようなあの歌が満をじして登場。 二度とない夜を駆け抜けた今こそ、耳を澄まし、命の音を聞け!
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