2008年03月01日(土) |
文藝春秋スペシャル 人生読本 |
季刊 文芸春秋 冬号
ある時から人生相談を読むようになった。 美輪明宏さんの「心麗相談」を読んでからかもしれない。 その美輪さんの回答が見事だった、ズバズバと本当のことをいい、 時には意地悪、時には親切に、あまりに爽快だった。
私は何故か、周囲から相談を受けやすい。 たいして年端も行かない頃から、そして独身のままで 人生経験も豊富とはいかないのに、 そして案外、意地悪な性格なのに、と我ながら不思議だ。
でも、相談ばっかりされていても、こっちも疲れるし そして親身になって相談にのっても、結構バカバカしい結末を迎えることも多く、浮かばれないのだ。 だから、美輪さんの歯に衣着せぬ回答っぷりにカタルシスだったのかもしれない。
そして、新聞や雑誌の相談などは必ず目を通してしまう。 そこに書いてある相談は深刻だったり、気の毒だったりするのも少なくないが 時には「はぁ〜?」といいたくなる勝手なものもあるのだ。 そういう人を舐めたような相談にどう答えるのか、それが一番の楽しみです。
さて、今回は文藝春秋がスペシャルで丸ごと人生相談。 読みでがありましたが、相談・回答は半分以下で あとは著名人の悩みを減らす心がけ・エッセイなどがが書いてある。
土居健郎さんがエッセイを冒頭で書いていて「甘え」について書かれている。 この方の本にもお世話になったので、懐かしい。 柳沢嘉一郎さんのコウモリの利他的行為からの「情けは人の為ならず」とアーミッシュの少女の行動もいいお話でした。 その他、今まで読んできた本の作者の方が沢山いらっしゃる。 久田恵さん、出久根達郎さん、藤原正彦さんの対談も面白かったです。 日本人の悩みとともに二十年の金森トシエさんのお話も興味深かったです。
柳田邦男さんが紹介している河合隼雄さんの「こだわり」の克服ということは特に印象に残った。 2人の禅僧が川を渡るときに女性に出会い、一人の僧が抱いて川をわたってやるのに、 一人は渡った後にも、そのことにこだわっている話。
「こだわり」これは全ての思考をスムーズにさせない原因で、不幸の始まりです。
そういえば、美輪さんの相談本を読んだ時に、一番心に残った話もこだわりについてです。 私も物事にこだわる性質。それが自分を苦しめていました。 それにまず気付かせてくれたのが、美輪さんの人の持つこだわりを看破し、一蹴している回答でした。
それから長い時間をかけて、私は自分のこだわりに直面したら、反省して、こだわりを減らしていく努力をしました。 今はかなり早く、こだわりを解けるようになったと思います。
他人の人生相談から、自分の人生を楽にするヒントを得る。 人のの褌で相撲を取るようですか?リサイクルですかね。
いつまでも忘れず、こだわっていること。 幸せになるのには邪魔なことなのです。
|