2008年01月07日(月) |
本「男子のための恋愛検定」からわかる人間関係の解き方 |
伏見憲明 よりみちパンセ 理論社 (2006/04)
チラっとめくったら、いきなり「NANA」のハチのことが出てきました。 ハチ子のことを例に、恋愛における女心を詳しく解説しています。 なるほど、と女である私も、よくわかります。
すごいな〜この作者。 そうそう、そうなのよね。と思わず納得。 名言の数々で爆笑です。
33ページ 「恋の対象をジャガイモに例えているのが秀逸。 「恋」とは一人の相手に気持がロックオンしてしまう原因不明の症状。 八百屋で一山200円のじゃがいものざるの中からむしょうに欲しくて しょうがないじゃがいもが見いだされるような、珍妙な熱狂・・」
以前、さくらももこさんのエッセイ(多分「さるのこしかけ」)に 彼女が地元で女性タレントをみかけたときに そのタレントさんの美しさを現すのに、 自分と友達を「ねずみとじゃがいも」と表現していたのが思い出されました。 やっぱりテレビに出演されるような人はその辺にはいない美しさなのね〜と 思ったりしたのです。
そしてここでも「じゃがいも」が出てきました。 一般人は一山いくらのじゃがいもです。 そのじゃがいもの形や色を選別するのにやっきになってるかと思うと ちょっとむなしいですよね。
39ページ 「ある意味で、「恋」は相手など関係ない、自分自身の欲望なのだ。 犯罪にいたらなくても勘違いが発生する。」
恋が冷めた時の感覚がわかるだけに、恋ってほとんど勘違いだと思うのでした。 相手があってないような、そんなのが思春期の恋愛ではないでしょうか。 そして、あまり恋愛体質でない人ってのは、欲が控えめだったり 勘違いしにくい人なのではないかと思うのでした。
ジャガイモたちが恋の勝者になるには、対処法としては45ページ辺りに 「自分で自分をプロデュースする必要に迫られる」 というのは、昨年かなりプッシュした本田透さんの「電波男」など を読んで、キモ面のまま恋愛したいという人に読んでもらいたいです。
*** そして「資源交換」
114ページ 「恋」する思いには、そもそも純粋と不純はない。 どの「資源」によって「恋心」が刺激され、 思いが膨張していくのかは、ケースバイケース。 それらの「資源」の間に優劣つけるのはナンセンスである。
115ページ 「愛」はお互いの資源交換だといえる
「NANA」のハチ子がとった行動を説明するのに十分な言葉ですね。
***
恋愛検定としているけれど、これは男女間だけでなく 同性同士、友人同士でも同じことだと思われます。
交換したいと思うものがなければ、誰も近寄ってきません。 私は少なくともそうです。 今までも、自然にそうしていたけど、年齢を経て改めて、自分の行動も そうなってると気付きました。
例えばお金をもっているとか、資産があるとかそういうことで付き合いをする人を 汚いと思う考えがあります。 「純愛」とかもてはやされているってのはそういうことでしょ?
でも現実にはそんな何にも持ってない人が、恋愛を勝ち抜けることなんてありえない。
お金がなくても、好きで付き合っている人がいる〜という人は沢山いるでしょうけど それにしたって、今の時点ではお金はないけど、 将来はわからない、可能性があるかもしれないからかもしれない。 お金に換えがたい魅力が勝ってるのかもしれない。
自分にない、素敵なものをもっている。
これは人と付き合う上で重要な資源なのではないでしょうか。 そしてそれは、男女間恋愛だけでなく、他の付き合いでもいえることだと思います。
男子のための恋愛検定 (よりみちパン!セ)
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