だから猫が飼いたいのに・・

2002年06月24日(月) 「若者の法則」 香山リカ著 岩波新書 新赤781

何気なく気になって手にとって見た。
この本は大人からみた今時の若者との付き合い方の指南の書ということになっているが、それ以外に若者というカテゴリーは明確には限定されていない。当然といえば当然過ぎるが、中身でも何度と無く触れられるが大人という分け目すらハッキリしないのが、今、現在の若者がわからないという世の中の特徴なのだから。
6つの法則として若者の行動と考え方を分けてある。一部繰り返し的にも感じ入られるが、それだけに判りやすい。
そして、そうすることでもう既に若者でないと思っている、層の問題点も浮かび上がる仕組みになっている。
私自身、もう若者ではないと自覚しているけど、場合によっては若者と同じ悩みを共有していることも判るし、そうでない、多分大人な部分というのも判る。
それは表面上若者でない、つまり分別のある大人だと思われるが、どうも噛み合わないなあという周囲の人物との付き合いに役立かもしれない。
例えば「関係のないことまでかまちゃいられない法則」の中の「電車」「他人」「やさしさ」は若者だけの問題では絶対にないことを私は知っている。「仲間以外は風景」と思っている妙齢の女性「他人と自分は違う人」とわかっていない子どもを持つ層、そして「他人の痛みを感じる高度な想像力がない人が多い」と言わしめてしまう世界を作った大人な問題などなど
若者だけでなく、子ども時代を延長したまま社会的、外見的大人になってしまった人やの対処法にもなると思う。
著者自らが元若者として「若者を語り尽くしたとは思わない」「当世若者気質にしても、本当に正しいのかどうかはちょっと怪しいものだ」と書き、それでも若者を知りたいと願い、若者にあるいは大人に生きるヒントを少しでも提供したいという心意気・・というには気張った表現は著者にとって不本意だと思うが、とにかくそういう気持が伝わってくる本だと思う。

その他気になったのは「からだ」「ダイエット」「化粧」。健康ブームは終わる事は無いだろうし、サプリメントやあやしげな薬はどんどん出回るだろう、それと並行して「体によい食べ物」としていろんな食品が注目されW杯のように一時注目されたりする。私自身も全く興味がないわけではないし、「体によい」といわれたら取り入れたりもするが、その良いといわれている食品自体が危ない世の中では怪しげな薬と効果はさほど変わらないのかもしれない。
そして健康を気遣うようでありながら、体を痛めつけるようなダイエットなどに対する考え方など私にはわからなかったことも、この項で判断できる基準が出来た気がする。
それはこの本の全編に流れるテーマである自分と他人の分け目でもあるのだと思う。
そして「読書」は250文字で自分の人生の一大事も伝えたれる世の中であることを受けて、そのうち伝統芸能になってしまうのではないかという説。
まあ!そのころ生きていたら私も伝統芸能家になれるかも!〜なんてきっと私が寿命を全うした以後だろうなあ。どう?


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