育ちがいい人

「お育ち」と言う言葉は、その昔、「お家柄」の事だった。
でも、本当に育ちがいい人と言うのは、そう言うんじゃなくて、ちゃんと、親に〈親じゃなくても回りの大人達に〉育てられて、ちゃんと育ったかどうかだと思う。
未だに「育ちがいい」というと、「え?お父さんお医者さんかなんかなの?」とかいう人がいて、ちょっとがっかりしてしまったりする。

まぁ、それはさておき、ダーは、私が言う方の意味の「育ちがいい」人だと思う。この間、某観光地に遊びに行った。で、商店街をぶらぶらと歩いていると、自販機の上に空き缶が置いてあった。それも落ちて来そうにぎりぎり端っこに置いてある。ダーは最初、「危ないなぁ」と言って通り過ぎかけたが、やっぱり気になったのか、引きかえして空き缶をとり、近くのスーパーのゴミ箱に捨てた。
それを見て私は「ちゃんと育てられてるなぁ」と思った。
きっと、ダーは私がいなくて一人でも、同じ事をやっていただろう。
つまんないことだけど、なかなか出来る事じゃないと思う。だって、その空き缶は長い間そうされるのを待っていたかのように、ところどころ錆びていたのだから。観光地で、あんなに人がいたのに、誰もしようとしていなかった。
本当の意味で「育ちがいい」人と言うのは類まれなのだと思ってしまった。
当たり前の事を、当たり前のようにできると言う事こそ、ちゃんと育てられた、ちゃんと育った「育ちのいい人」なんだと思う。
2002年04月02日(火)

宝物 / リカ

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