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丹下段平にしようか、丹下キヨ子にしようか正直ギリギリまで迷いました。こんばんは。あゆです。
なんか私のせいでショートショート週間が始まったようだ。 ゆみなは私の思いつきのショートショートを見事なまでにいれぎゅりゃテイストに味付けしてくれ、るるはショートショート初挑戦という暴挙にでた。 暴挙かよ。 週間が始まったといっても、もう私にはネタがない。 そこでだ。 昔書いた作品を またゆみなとるるにいれぎゅりゃ!テイストにしてもらおうぢゃねえかと 思いついたわけである。 たった今。 そうしたら私は手をぬけるし、 ゆみなは明日のネタができるし、 るるもこの作品を嫁姑バージョンにしてしまうとか そんなこともできちゃって 一石二鳥どころか一石三丁目ではないかっ。 ね、これいいでしょ。 と、二人の了承もなくおっぱじめてみる。 では原型を、どうぞ。 これは同じ場面を男女それぞれの立場にたって書いたものだが、実は自分では一番気に入ってるものだ。 それが明日からどういうふうになるのかとっても楽しみだにゃんにゃん。 ---------------------------------------------------- 「静心なく花の散るらむ」 どういうつもりで日曜日にこんなところに呼び出したんだ。 男は心の中でつぶやいた。 そして煙草に火をつけるついでに、隣に座っている女の顔を伺ってみる。 今まで女が待ち合わせの場所を指定したことなどほとんどなかった。 しかも、今まで一度も会ったことのない休日を選ぶなんて。 今時の女には珍しく何かを男に求めるわけでもなく、 わがままを言うでもない、おとなしい女だ。 男が吐いたけむりの向こうを ひとひらふたひらと桜の花びらが舞い降りて行く。 それを見つめながら男はぼんやり思った。 男にとっては都合のいい女だが、 女にとって25才からの6年間というのは長すぎたのかもしれない。 そろそろ潮時なのだろうか。 だが、男からそれを言い出すのは少しためらわれた。 情が移っているということは否定できない事実であるし、 男が女を振りまわしてきたという申し訳なさもあった。 女の方からそれを言わせるのは無理だろう・・・。 突然、女が立ち上がりこっちを見て微笑んでいる。 やわらかな陽光を受けて、 見慣れているはずの女の顔がやけに新鮮に眩しく感じられた。 やはり、まだ手放したくない。 男は煙草を投げ捨てた手を女に差しのべた。 *********************************************** 「たまには、こんな時間にこういう所で会うのもいいね」 女は、落ちつきなく煙草を吸うそのしぐさで 男の言葉の中に嘘があることを容易に見ぬいている。 今までの時間をすべて男のせいにするほど、女はもう若くはなかった。 かと言ってやり直しができない年でもない。 日曜日の昼間、公園で会いたいと女が言ったのは賭けだった。 男がどんな言い訳をして家を出て来たのかは、 女には関係のないことだった。 しかし取敢えず女の誘いに男が応じたことが、 却って女の決心を鈍らせている。 「桜ももう終りだね」 男の言葉をはずみにして女は立ち上がり、 用意していた言葉を涙を隠してつぶやいてみる。 「私達ももう終りね」 女は、一瞬男の目に安堵の色が浮かんだのを見逃さなかった。 そこで女の賭けは終った。 「さよなら、もう会わないわ」 女は男の差しのべた手に優しくふれたあと、男を背にして歩き始める。 春の日差しの中、散り始めた桜をいとおしむようにゆっくりとゆっくりと・・・ 了 -------------------------------------------------------- たのんだぜ、ゆみな、るるっ!
rya
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