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2005年04月17日(日) 自信喪失のだじろう。ひろでも可

こんばんわ。ゆみなです。
あゆが久々にショートショートを書いた。最近の『いれぎゅりゃ!』の読者には轟二郎かもしれないが、
あ、違った。驚きかもしれないが、実はあゆにはそういう才能があったのだ。
そういうって、どういう?って聞かれたら、ああいうと言うしかないのだが、ふと閃きですぐに小説が書ける文学的才能があるのである。
以前は自分のHPで短編を数多く書いていた。
恋愛ものあり、ホラーものあり、モハメッドアリ、クロードチアリ、壁に耳アリ、多彩だった。
私はあゆの小説のファンで、次の作品を心待ちにしていた。
しかし、そこは飽き性のあゆのこと。いつしか書かなくなってしまい、とても残念に思っていたのだ。
私にはそういう才能がないので、そういうってどういう?って聞かれたら、こういうと言うしかないのだが、
小説や背中や恥など何でも書けるあゆが羨ましかった。
何度か真似て挑戦したことがあったが、どうもイマイチで完全にやめてしまったのである。

でも、今日は書く。
思いきって書いてみる。
それも昨日の『記憶』の続編だ。
いや、いくらなんでも続編というのは奥がましい。


あゆに殴られそうだ。


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『胃液』



「お姉さん、失恋でもしたの?」
それは安っぽいナンパみたいな声のかけられ方だった。
よくみると、ほんとに安めぐみだった。

               完


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ああ、ダメだダメだ。ショートショートにもほどがある。
それに胃液とまったく関係ないじゃないか。
こんなんじゃとても短編作家とは呼べない。
いつから短編作家になったのか分からないが。
もう少し書いてみよう。


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『胃液』



「お姉さん、失恋でもしたの?」
それは安っぽいナンパみたいな声のかけられ方だった。
よくみると、ほんとに安めぐみだった。
と思ったら、安めぐみ似のオカマだ。

その声にはっとして時計を見たら止まっている。
よくみると、マジックで書いた時計だった。

そうだった・・・
昨夜、あまりの寂しさに自分の足首に時計を書いたのだった。
道行く人々は、足首を見る不自然な姿の私を一瞥していくだけだ。
なかには軽蔑してる人もいる。キャベツを持ってる人もいた。ただの主婦だった。

安めぐみ似のオカマ、略して安カマは心配そうな顔をしながら又も同じ質問をぶつけてきた。
「お姉さん、失恋でもしたの?」
私は返答に困りモジモジしていると今度は
「お姉さん、おしっこしたいの?」と聞いてきた。
”おめえは「モジモジ=おしっこ」しかないのか、じゃあ「モジモジ君=おしっこ君」なのか!”という長いセリフをグッと飲みこむと急に胃の辺りがムカムカしてきた。
あ、まただ。
またいつもの癖が出てしまった。
言いたい言葉を抑えると胃液が出てしまう無くて七癖の一つ、かの有名な胃液癖だ。
あとの六つは酒癖と寝癖と盗癖と怠け癖と女癖と口臭ぇだ。

胸の辺りを撫でながら、さりげなく安カマの胸を見ると、私よりはるかに大きい。
どことなく自慢げにさえ見える。
安カマは背中をさすってくれながら「お姉さん、我慢することないのよ」と優しく笑みを浮かべながら言ってくれるのだが、
その「お姉さん」と呼びかける言葉にまた胃が反応して新たなムカつきが襲ってきた。
言わなきゃ。ちゃんと言わなきゃ。
自分でも分かっているのだが、どうしても口にすることが出来ない。
「遠慮しないで吐いてしまいなさいよ」
そうなのだ。
ここで全てを吐いてしまえば、このムカつきも収まるだろう。

勇気を出して私は吐く決心をした。

「あの・・・」
「なあに。お姉さん」
「ですから、あの・・・」
「ん?」
「実は私・・・お姉さんじゃないんです。」
「え?」







「私もオカマなんです。」

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ああ、ダメだダメだ。
だからなんだっていうんだ。
なんのオチもないではないか。
いやそれ以前に起承転結がまるで無い。第一自分で何を書きたいのかが分かっていない。
こんなんじゃ直木賞作家とは呼べないではないか。

やはり私にはそういう才能がないのが分かった。
そういうってどういう?って聞かれると、うるせえな、そろそろ気づけよと答えるしかないのだが。
もう二度とショートショートに手を染めることはないだろう。

あゆ。次の作品を是非また読ませてくれ。





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