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ゆみなが風邪で、るるが雲隠れして、仕方なく連続当番のあゆです。こんばんは。風邪と雲隠れ、石原良純が飛びつきそうな話ですね。ちょっと違いますか。そうですか。
ところで、 東京行きで酒癖の悪さを露呈してしまった。 その東京ネタも尽き、何を書こうかと思っていたところ、 今日の「行列のできる法律相談所」を見ていて 思わぬところでネタを拾ってしまった。 だいたい、法律相談所というのは どちらかというと、あまりあり得ない特殊な話ばかりとりあげているという印象が強かった。 しかし、今日はどうだろう。 まさしく私の身に起こったことが、そのままの事例がとりあげられていた。 これは多分ゆみなにもるるにも話してないと思うし 私の友達にもほとんど話していないことである。 それは 「結婚式の当日、元彼女とキスをした夫と離婚できるか」 という事例であった。 ええ、まさしく私のことだわ〜。 相談所では結婚式場で、ということだったが、 私の場合は二次会の会場であった。 今と違って二次会といっても、何かゲームをしたり、余興があったりというのではなく、当時の二次会はただひたすら友達と飲むというものであった。 その二次会もお開きの時間が近づき、 三々五々帰っていくゲストたちを私は一人一人店の外まで見送っていた。 そしてあるゲストを見送って店に戻ってみると... ダンナと元彼女がちゅうをしていたのを見てしまったのである。 とくに物陰で、とかではなくカウンターに座って堂々と。 私は目を疑った。でも目の前にある現実は間違いのないことだった。 それでも私は平成を装った。その時はまだ昭和だったからだ。というのは関係なく、私がそこで騒ぎ立てて、まだ数人残っている友人たちの気分を害するようなことはしたくなかったのだ。 本当はその場で泣きたかった。 しかし、みんなを見送り、帰りのタクシーの中でやっと私は涙を流すことができた。 「見たんだけど」 ダンナはどうやら「見られたかな」という気持ちがあったらしく、 黙っていた。 「今日、どういう日かわかってるよね。信じられない」 それこそ相談所に出てきた台詞と同じことを言った。 するとダンナもやっぱり相談所に出てきた男と同じ台詞を言った。 「あれは、別れのキスだったんだよ」 学生時代の時の友人として何人か出席していた女性のうちの1人であった彼女が、ダンナの元カノというのもその時に初めて知った。 「ごめん、悪かった。」 思えば、ダンナが心から謝ったのはこの時が最初で最後になるとは知る由もない当時の私の憤りは収まらなかった。 「私は結婚式のことを思い出すたびに、さっき見たことも思い出してしまう。最悪だわ」 当然その夜は背中を向けたまま眠った。 こうして翌日、私は重い心をひきずったまま新婚旅行に出かけたのだった。 しかし、新婚旅行の何日目かの夜、ふと目を覚ますと ダンナがベッドの上に座っている。 「眠れないの?」と声をかけると沈黙したままだ。 ベッドのライトを点けて見ると、 ダンナが泣いていた。 初めて見るダンナの涙に私は思わず 「もういいよ。忘れるから」と言ってしまい、二度とそのことを口にすることはなかった。 そして20年余。 本当に忘れかけていた。 しかし、今日の日テレを見てあのシーンが鮮やかに蘇ってしまった。 私はその事例のことをテレビで流している間中、 「あら、どっかで見たような光景」 「いやあ、なつかしいわあ」 「今日の行列はおもろいなあ、おっさん。」 などと言っていた。 ドラマの中の男がダンナと同じ台詞を言ったときなど大笑いしてしまった。 「ほらほら、おんなじこと言うてるわ。ぎゃはははははは〜」 ダンナは終始無言で、文庫本を読むふりをしている。 これで弁護士さん全員が 「離婚できる」と判断すればもっと笑えるのになあ...と思っていたら 「離婚できる」と言ったのは北村弁護士だけだった。 するといきなりダンナが 「やっぱり仕方ないことってあるもんなあ」 などと急にテレビの話に入ってきた。 文庫本読んでたんとちゃうんかいっ。 結果によっては20年前の出来事を肴にチクチクとダンナをいぢめられると喜んでいたが、一気に意気消沈してしまった。 と、同時にますます北村弁護士のファンになった私だった。
rya
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