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2003年12月06日(土) 台詞はムズい

昨日は酔っ払って帰宅し、いれぎゅりゃ!をへらへら笑いながら読んだものの、投票ボタンを押すのをうっかり忘れたあゆです。こんばんは。

先日、久々に白い巨泉を見た。いや、白い巨塔だ。
驚いたことに「巨泉」は一発で変換できるのに「巨塔」はできない。
それは「きょ」と「とう」を一字ずつ変換していけば問題解決するからいいのだが、もう1つの問題は白い巨塔の中身である。
ストーリーは原作がしっかりしているだけあって見ごたえがある。
展開が遅いにもかかわらず飽きさせないのはさすがだ。
でも、唐沢は何をやらせても唐沢だし、江口は何をやらせても江口だ。そして水野真紀は何をやらせても屁が臭そうなことには変わりはない。
しかし、前回の話の中で一番のツボは石坂浩二のあるセリフであった。

師匠である自分に反抗し、挑発的な言葉を浴びせた唐沢に対して返した

「言葉を慎みたまえ」

という言葉である。

石坂の年季の入った大根役者っぷりと見事にリンクしていた。
あんなにセリフセリフしたセリフを私は今まで聞いたことがなかった。
現実に言う人がいるんだろうか・・・「言葉を慎みたまえ」。

あとは西田敏行の変な大阪弁を何とかしてくれ。

真面目に論評してしまった。

本人たちだけが盛り上がっていてとっても反応が少ないリレー小説にも台詞があるわけだが、この小説に関しては何でもありなので気が楽だ。
とはいえ、結構憂鬱・・・。

そんじゃいきます。

■■■「午前0時13分のメール」 第6話■■■

「あ、あなたは・・・」



あれは、私がまだオカマになる前のオナベのときのことだった。

私は女に生まれながら、おばあちゃんのつけた長ったらしい名前のせいか、小さいころから男のようだった。
さっぱりしたあまり物事にこだわらない性格で
周りの友達には「ゆみな」と呼ばれていた。
競馬ですってんてんになってもすっとんきょうな顔で笑っていた。
オークションで不正を働こうと思って失敗したこともある。
うんこや屁が好きだ。
そのあたりは本筋には関係ないので端折ることにして
とにかく、いくら髪は五分刈り、紳士服のアオキのツーパンツスーツを着こなしても、所詮女性は女性。



立ちションができない。
それは私にとって屈辱的なことだった。
私はついに男性として生まれ変わることを決心した。

その時、私がお世話になった
中州クリニックの病院長、勅使河原先生だった。


「あなたは、勅使河原先生先生では・・・」
勅使河原先生先生は、勅使河原が苗字で先生というのが名前だった。
幼い頃から名前で悩んだ私たちは初めから意気投合していた。


「やあ、キミは六之助ほにゃらへにゃさんじゃないか」
先生もやっぱり私の名前は覚えきれてなかったようだ。
でも私のことは覚えていてくれてうれしかった。

「覚えてくださったんですね。」
私は懐かしさのあまり思わずナミダしていた。

「忘れようにも忘れられないさ。くっつけたわずか数時間後に
『やっぱり私、女でいたかったんですぅぅぅぅぅ』と泣き崩れたのはキミくらいのものだからね。」
つまり、私は性転換手術をした後、待望の立ちションをしたところ
期待していたほど爽快感が得られず、がっかりしたのだった。

でもせっかくつけたものはもったいないのでそのままにしておくことにした。
こういう理由で今、私はオカマをやっているわけである。

「でも、こんなところでお会いするなんて・・・。どこがお悪いんですか?」

私がこう聞くと先生はこう答えた。

「いや、ほれこのとおり、わしはピンピンしとる。ここはわしの寝室なんだよ。」

どうやらここで生活しているらしい。
しかし、中洲クリニックの病院長である先生がこんなところで生活をするなんて・・・。

「先生、ご苦労されてるんですね・・・」

「いや。全然。儲かってしょうがないよ。カネの使い道がないくらいだよ。ここは、わしの弟の病院でな。空いているベッドを転々とさせてもらってるんだよ。要するにタダってわけだ。わはははははっ」

ただのケチかよ。
おまえはあゆの旦那か。


そんな私たちの会話を黙って聞いていた黄色とブルーの縞々のパジャマを着た木下ホイが突然言った。

「俺は本当は木下ホイなんかじゃないんだっ!俺は・・・俺は・・・本当は・・・」

つづく









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