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息子が昨日からグァムに行った。
友達と二人で。 今までは家族とだったり修学旅行だったりの海外だったので、 友達と二人で行くというのは初めての経験だ。 実は私、このグァムへ行くって話。 先週初めて聞いたのである。 すべて自分たちで申し込みを終えてから聞いたのだ。 「あ、そういえば来週からちょっとグァムにでも行ってくるわ」って。 そういえば、って、おいっ。 思い出さなかったら言わなかったつもりだったのかいっ! ちょっと、って、おいっ!。 ちょっとの距離かいっ! にでも、って、おいっ!。 そんな優雅な人間なんかいっ! いやね、別に良いんだよ。どこに行こうが。 自分でアルバイトしたお金で行くんだし。 その一番遠方がグァムだったんだろうから。 でもね、せめてもうちょっと前に言ってくれてもよさそうなもんじゃないか。 せめて「行くかもしれない」くらいはね。 でもって、当日になってもなんの用意もしてないし。 まあね、グァムだから。暑いし、たいして荷物がないのもわかるよ。 でもね、もうちょっと余裕をもって支度するべきなんじゃないか。 当日の朝になって 「あ、そういえば、スーツケース出してくれる?」ってのもどんなもんか。 また「そういえば」かいっ!って感じだよ。アタシャ。 ま、昨日は朝から仕事だったので息子よりも先に家を出たんだけどね、 そのあと、息子が出発する時点で長女が家にいたらしいので、 私が帰宅してから、長女に、 「○○(息子)。ちゃんと行った?」と聞いたところ、 「え?学校に行ったんじゃなかったの?」っていう返事。 なんと息子は 「じゃ、行ってくるね」と、 まるでいつものように学校に行く風に出発したそうだ。 長女は、私から聞いて初めて知り驚いていた。 男の子ってこんなもんなのかなぁぁ。 ま、事故のニュースもないし、今頃は楽しんでることでしょう。 で、いよいよ始まりました。第三弾。 しかしなんなんでしょう。あゆ。 「誘われて長万部」ですよ。長万部。 長万部に特別な思い入れがあるのでしょうかね。 ま、なにはともあれ懲りもせずにスタートしました。 今回で一応、おしまいってことですので、安心してください。 ◆◇◆◇◆◇◆ 『誘われて長万部』 第二回 「仕方がなかったですって?」 祥子は手の震えに任せて、白い紙をクシャクシャに握り締めた。 そしてそれで鼻をかんだ。 「おい。そんなことしていいのか?」 「いいも悪いもないわ。今、私は鼻血がタラーッと出たのよっ!」 祥子の口調はヒステリー気味になってきた。 「今日はもうこれ以上話しても埒が明かない。明日にしよう。」 和樹は祥子が興奮すると会話にならないということを承知していた。 「逃げる気?仕方がないってどういうことよっ? 私が悪かったってことなの?全部私のせいなのっ?」 いつもこうだった。 和樹は遠いあの日のことを思い出していた。 祥子と初めて会ったあの長万部の夜を・・・ 祥子は決して美人ではないが、だからといって綺麗というわけでもなかった。 つまり手の施しようのないブサイクな女だった。 和樹は仕事に行き詰まり、当てのない旅をしていた。 その時フラッと立ち寄った長万部のスナック。 その日からすべてが始まったのだ。 「いらっしゃいませ。」 祥子が発した最初の言葉だ。 顔の割には美しいその声に和樹はつい答えてしまったのだ。 「いらっしゃいました。」 和樹の思いがけない返事に祥子はプッと吹き出した。 と同時に、鼻血がタラーッと出た。 まるでこれからの二人を暗示するかのように・・・ 〜つづく
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