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2002年07月28日(日) 緊急特番 

土曜日の伊丹空港で、「本当に日曜日に帰って来るんだろうな」と涙目で送ってくれたダンナに曖昧な笑顔でしか応えることのできなかったあゆです。こんばんは。
因みに帰宅したのは子供たちのためです。



まずは、オフ会に参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。みなさまのおかげで本当に楽しいオフ会になりました。


本来なら、ここでオフ会報告をするのがスジだとは思いますが
私には、とても書けません。

一番楽しみ、一番跳ね回り、一番苦しんだ
カサブタ色の人が明日書いてくれるでしょう。反省文を。

今回ご参加いただけなかった方は、ほんとにラッキー残念でした。


いや、本当に楽しかったんですってば。
だから明日の日記、期待しててください。


ただ、私的に今回のオフ会を一言で言うと





シラフのるるとまともに話をしたかった。

それだけです。



オフ会の内容について書いてないのに
なんで題名が「緊急特番」なのか。

実は、みなさんにぜひ知っておいていただきたいことがあるのです。

今回のオフ会の会計役と同じように、羽田までの運転手役を当然のように押し付けられた快く買って出てくれたMくんと、ゆみなに見送られ、私は搭乗口のゲートをくぐった。向こうでじっと見守ってくれている二人にさわやかに手を振って、私は機上の人となる筈だった。
その時、

ピー
という音がした。

何の音だ?


「お客様、バッグをもう一度機械に通してよろしいですか?」

「え?」

ちょっと驚いたが、
鍵がひっかかったのかな。と、思い
「これがあかんのかな」とえへらえへらと笑いながらバッグから鍵を取り出した。

もう一度。


ピー

あれ?
パチンコ玉は昨日のオフ会の時に処分したし、他になにがあるのかな。

「お客様、バッグの中にライターがありますか?」
「あるけど」
ボスとダンナの土産にと、ライターを二個買っていたのだった。
私はその二つのライターを取り出した。

そして三度バッグは検知器に。

ピー

あれ?

私のうすら笑いはひきつり笑いに変わった。
「まだライター持ってらっしゃいませんか?」
自分のライターと、昨日のオフ会でもらったライターがあった。
「あ、ごめんなさい。まだあるわ」
私は二つのライターを取り出した。

四度目。
ピー


へ?
係りの女の子の顔もひきつってきた。
「あの、バッグの中身改めさせていただいてよろしいでしょうか」

こうしているうちにも後から来た人が次々と何事もなく私の横を通っていく。
私は焦った。でも何も変なものは持っていない。
「どうぞ改めてください」

バッグの中身を全部出された。
ポーチ、財布、手帳、ボールペン三本、ハンカチ、チケットの半券、なぜかイヤホンだけ、一円玉、レシート数枚、タバコとタバコのかす、紙くずなどがごちゃごちゃ入ってるだけで、何ひとつ怪しいものはない。
ポーチの中も調べられた。その中にも化粧品が入っているだけだ。

なのに、なのに、係りのねえちゃん








「アーミーナイフ等は入ってないですか?」



ここで私は初めて気づいた。




わし、もしかしてハイジャック犯と間違えられてる?


こんなにちっちぇわしが?
こんなに腕が太わしが?
こんなに顔の濃いわしが?


日頃は小心者のわしだが、
今日は早く空港に着いてたもんだから
ゆみなとMくんと一緒にビールを飲んでいた。
生中一杯と地ビール一本+ゆみなが飲み残したビール半分。

だから今バッグの中身全部出しただろうがよ。どこにそんなもんがあるんだよ。イラつきは頂点に達していた。

その時さらにねえちゃんが
「バッグのポケットはもう他にないですか?」
と、言った。

わしはビール酵母の力で言い返した。
「どういうことでしょう。全部中身見せましたけど」


その気色ばんだ顔におそれをなしたのかねえちゃんはあわてて言った。

「お客さま、ライターはお一人1つしか持込できません」


ライターかよ。
しかも
知らねえぞ、そんなこと。

で、何でライターが原因ってわかってるのに
アーミーナイフ持ってるかだの
隠しポケットがあるかだの
疑われなきゃならないんだよ。

「何で?ライターだめなの?」
「私にもわからないですけど、規則ですので」

「じゃあ、このライターどうしたらいいの?」
「お1つだけ持ち込んでいただいて後は処分させていただきます」


むっか〜。

「じゃあ、ライターは土産にするなってこと?」
「ええ、まあそういうことです」


なら、みやげ物屋で売るなよ。


私は持ち込むライターを1つだけ選ばされた挙句
処分に対する同意書を書かされることになった。

「同意はしてないんだけど」
「申し訳ありません。規則なので。書くのはお名前だけで結構です」
「なんなら住所も電話番号も書きますけど。同意はしてないけど(←しつこい)」
小心者の私がこんなことまで言うなんて
ビールの力はすごいね。

こうして私はやっと飛行機に乗ることができたのだが
またもやビールの力を知ることとなる。

シートベルトをし、離陸したとたん、猛烈な尿意が襲ってきたのだ。
さっきのごたごたでトイレに行く時間がなかったのだ。


シートベルトのライトが消えるまでの時間、わずか数分だと思うが
少なくない人数が、クーラーの冷え対策に毛布を膝にかけているなか、
わしは脂汗をうかべていた。
いっそのこともらしてしまおうか。
そんな考えも浮かんだ。
そして小一時間前のゆみなの

「あゆ、これ飲んで」

という言葉をぼんやり思い出しながら、人の飲み残しのビールを飲んでしまう自分のいやしさを激しく後悔していた。


そしてやっとライトが消え、わしは早足でトイレに向かっていった。
ほっと一息ついていると、誰か男の人の声が聞こえるではないか。
脂汗を浮かべていたわしを心配して、誰かが声をかけてくれたのかと思い、
思わず「はい」と返事をした。
だが、そのあとの言葉を聞いているとそれは機長の乗客への機内放送であったという事実が判明した。

個室でよかった。トイレだから個室に決まっているのだが。
これが人前だったら


機内放送に返事をするバカな奴


という烙印を押されるところだった。

そんな一人恥をかき、用を足し終え、席に戻った。
安心して一眠りしていたら、あっというまに大阪に着いた。

そこで最後の悲劇が待っていた。

荷物を取ろうと座席の上の棚に手を伸ばすと
通りかかったスッちーのねえちゃんが

「大丈夫ですか?お取りしましょう」

とわしの返事を待たずにやすやすと棚から荷物を下ろしてくれた。



わしは棚に手が届かないくらいチビなんかい。


確かに椅子の上に立って荷物を取ったほうがいいかなって一瞬思ったけどな。ふん。



ほんとに















オフ会は楽しかった。

明日をお楽しみに。



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