非日常かもしれない日々
彼はあたしの好みではない。
でも、友達なんかはあたしの話を聞くと羨ましがる。
彼はお洒落でユニクロなんて絶対に着ない。
いつもスーツで決めている。
初めて彼に会った時、あたしは彼の事をホストか同業者かと思った。
彼は物心ついたときから「オナニー」はした事ないという
「何で世の中の半分は女なのに、オナニーなんてするのさ」って言う男だ。
確かに彼のテクニックは「逆性感」だって出来ちゃうだろう。
風俗嬢のあたしが言うのだから間違いない。
一晩に女を20回、イカせる男って少ないだろう。
あたしと付き合うようになって「SEXフレンド」と別れたと言う。
「お前を特定の彼女って決めた」って。
彼は毎日、あたしの家に来てあたしを抱き締めてくれる。
死ぬほど、キスをしてくれる。
あたしが泣いていたら仕事中でも飛んできてくれる。
ご飯も作ってくれる。
寝るときは絶対に腕枕だ。あたしが嫌がっても腕枕する(笑)
あたしが間違っていたら諭してくれる。
「愛してる」って言ってあげないと、無理矢理にでも言わせようとする
「お前、今日は何か言い忘れてない?」って
「お願いだから仕事で感じないでね。イカナイでね。出来ればキスもして欲しくない」って彼は言う。
「キスはしないとまずいじゃん。それでお金貰ってるの」って言うと
「そうだよな〜」って。
冗談で
「あたし、パイパンにしようかな」って言ったら
「絶対に嫌だ。見える範囲が大きくなる。出来れば見せたくない。剛毛にしてくれ〜〜」
「出来れば、お前の毛が”ゲゲゲの鬼太郎”の髪の毛みたいに飛んで客の顔を刺してくれないかな・・・」
そんな可愛い事を言う彼は、外ではきっと強気な男だろう。
今は確実に、あたしの事を愛しているのはわかる。
でも、あれだけ女にもてる人は不安。
まあ魅力があるから女にももてて、男の友達も多くて、そして、あたしは彼の事を好きになったんだろうけど。
彼は明日から出張。
彼の腕の中で眠る事に慣れてしまって、あたしは今夜から5日間、一人で眠れるのでしょうか・・・・
Arranged +
Written by 樹杏(じゅあん)