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2004年02月05日(木)
マキャモン『少年時代』読了

風邪なので、おとなしくずっと本を読んでいたため、マキャモンの『少年時代』を読了した。下巻は丸1日かからなかった。つまり面白かった!ということ。個人的には、主人公コーリーのお父さんが、古き良き時代の尊敬すべき父親という感じで好き。

マキャモンは初めて読むので、どういう作風か全然未知のものだったのだが、読んでいるうちに、「ああ、これはブラッドベリだ」と思った。その証拠に、巻末の謝辞には、作品を書くにあたって影響があったものとして、レイ・ブラッドベリの名前があがっているし、主人公のコーリーが、クリスマスにブラッドベリの『太陽の黄金の林檎』のペーパーバックをもらい、夢中で読みふけっている場面もある。ブラッドベリほどファンタジックではないが、あの世界にかなり近いものがあると思った。ましてや少年の話であるし、特に夏の最初の日、いきなり翼が生えて、空を飛び回るなんてところは、まさにブラッドベリだ。

また、物語中にはたくさんのコミックが出てくるが、そういう影響もかなり感じる。ということは、マイケル・シェイボンやニール・ゲイマンなどにもどこか似通ったところがあるということかも。

感想の詳細は、あとで「私の読書の記録」にまとめるが、読んでみた印象は、マキャモンは不気味なところもあるけれど、人間の基本的な心の部分で美しいものを描いているように感じた。それに読者を物語の中に引きずりこむ、巧みな文章だと思う。翻訳もひっかかるところがなくて読みやすく、会話部分に全く違和感がなくとても自然だったし(少年ものは会話部分でがっかりすることが多い)、登場する少年たちが妙に子どもっぽくなく(馬鹿騒ぎしない)、変に悪ぶってもいないといったところもいい。ハーパー・リーの『アラバマ物語』と一緒で、主人公は少年だが、書き手(主人公)がすでに大人になって、少年の日々を回想しているというところが、冷静で「子どもっぽくない」文章になっているのだと思う。

感想はたくさんありすぎて、何をどう書いたらいいのかまとまらないのだが、マキャモンはお気に入りに入れてもいい作家だと思う。『魔女は夜ささやく』を買おうかどうしようか、買うなら原書か翻訳か・・・とずっと迷っていたのだけれど、買う方向に向いていることは確か。翻訳も『少年時代』と同じ二宮氏だから、翻訳でもいいかな・・・。でも、この上下巻は高い。(--;

それにしても、本当に南部の話はハズレがない。それも特に「アラバマ」を舞台にしたもの。これはどうしてなのだろう?単に私の好みに合っているというだけかもしれないが。。。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『少年時代』(下)/ロバート・R・マキャモン
内容(「BOOK」データベースより)
初恋、けんか、怪獣に幽霊カー。少年時代は毎日が魔法の連続であり、すべてが輝いて見えた。しかし、そんな日々に影を落とす未解決の殺人事件。不思議な力を持つ自転車を駆って、謎に挑戦するコーリーだが、犯人は意外なところに…?もう一度少年の頃のあの魔法を呼び戻すために読みたい60年代のトム・ソーヤーの物語。


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