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2003年04月04日(金) ■ |
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アメリカの名産品 |
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そもそも私は短編小説があまり好きではない。 もちろん、サマセット・モームとかO・ヘンリーとかといった短編の名手といった作家のものは好きだ。彼らの作品には短い中にも起承転結があるからいいのだ。ところが、青山南さんの『アメリカ短編小説興亡史』を読むと、そのあたりの作家の作品は、現代の文学シーンでは古いスタイルの短編小説ということになるらしい。
古くても新しくても、面白ければ読者としてはそれでいいのだが、最近、短編小説は、とにかくうんざりするほど出ている。下に一例を挙げた、有名なアンソロジー本も毎年編纂されている。「アメリカの国技」あるいは「アメリカの名産品」とも言われているように、短編小説はアメリカが圧倒的に多い。私自身も、短編はあまり好きではないといいつつ、結構読んでいる。でも、ほとんど読んだそばから忘れてしまう。
サマセット・モーム、O・ヘンリー以外で気にいっている短編作家をあげてみると、トルーマン・カポーティ、T.C.ボイル、デイヴィッド・セダリス、ニコラ・バーカーなどなど・・・。とりあえずこんなところしか思い浮かばない。
で、南さんの講座でやるのは、「原書で楽しむアメリカ短編小説」だ。毎週1編読んで、なにやら発表とかするらしい。好きな作家ならいいが、嫌いな作家の作品だったらどうしよう。。。もちろん、私の好きな作家ばかりってわけにはいかないのは百も承知だけど、きらいな短編作家の作品(だいたいが起承転結がない)だったりすると、話が短いだけに芯を捉えるのが難しい。しかも経験上、こういうのは訳しづらい。翻訳の講座ではないのだから、何もきちんと訳さなくてもいいわけだけど、ちょっと不安。
最近の作家もあまり知らないので、先日ジョージ・ソウンダースの短編集『パストラリア』を買っておいた。これも急いで読んでおこう。
<有名なアンソロジー本の一例>
The Best American Short Stories of the Century/John Updike (著), Katrina Kenison (著) ペーパーバック: 835 p ; サイズ(cm): 出版社: Houghton Mifflin Co ; ISBN: 0395843677 ; Expanded 版 (2000/04/01)
The Granta Book of the American Short Story/Richard Ford (著) ペーパーバック: 704 p ; サイズ(cm): 出版社: Pub Group West ; ISBN: 1862071098 ; (1998/08/13)
The Best American Short Stories 2002 (Best American Short Stories, 2002)/Sue Miller (著), Kartina Kenison (著) ペーパーバック: 400 p ; サイズ(cm): 出版社: Houghton Mifflin ; ISBN: 0618131736 ; (2002/09/01)
〓〓〓 BOOK
◆読了した本
『アメリカ短編小説興亡史―とめどもなくあらわれるアメリカの短編小説をめぐる、めどもなくあられもない断片的詳説』/青山南 内容(「MARC」データベースより) 毎年コンスタントに短編小説が大量生産されているアメリカ。数々のアンソロジーや受賞作品の分析、短編小説の歴史の検討を通して、アメリカで短編小説が名産品になった理由や、アメリカ小説のしくみを探る。
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