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2002年08月25日(日)
アメリカ旅行記4日目<サンフランシスコ>

今日はラスベガスからサンフランシスコへ移動。
8時にホテルを出発。

実は私はホテルのボールペンのコレクターなのだが、このホテルにはボールペンが置いてなかった。以前バハマに行ったときにも置いてなくて、延々20時間以上もかけてやってきたのに・・・と思ったら、倒れそうだった。

今回は、黙って引き下がるわけにはいかん!と思い、チェックアウトの時に、目をうるうるさせながら、カウンターのおじさんにお願いしてみた。

「私ははるばる日本から来たものです。じつは泊まったホテルのボールペンを集めているのですが、どうか1本いただけないでしょうか」

おじさん、何にも言わず机の引き出しを開けて1本くれた。日本人て変なものを集めるんだなと思ったに違いない。でも、知らないおじさんにどう思われようが、目的を果たすほうが重要だ。ともあれ、サンキュー・ベリー・マッチ!リアリー・アプリシエイト!だ。XXX←キスの印

今朝も早かったので、朝ごはんは空港のバーガーキングでチキンサンドとコーヒー。周りを見渡すと、かなりの年寄りがハンバーガーを食べ、コーヒーを飲んでいる。これは体に悪いよね・・・なんて気の毒になりながら、さらに見渡すと、中年のビジネスマンが嬉々として、おっきなハンバーガーにかぶりついている。すごくおいしそうだ。コーヒーは2杯分確保している。アメリカの味って、やっぱりこれなんだろうな。私たちがご飯と味噌汁を欲するように、彼らはハンバーガーとコーヒーなんだな。。。やっぱり体に悪いよ。

ところで、昨日はお昼にグランドキャニオンのホテルのブッフェで食事をしたあと、夕食はラスベガスのフォーラム・ショップスの中でメキシコ料理を食べた。どちらもまずかった。今日のチキンサンドのほうがまだましだ。とにかくアメリカは、レストランに入って食事しちゃいけない国だ。

さて、再びルーズなアメリカン・ウエスト航空に腹を立てながら、サンフランシスコに到着。ラスベガスからサンフランシスコまで2860歩。

サンフランシスコは曇りで肌寒く、町は狭くゴミゴミしていて、イメージしていた印象とは全然違った。海も灰色で、なんとなく物哀しい雰囲気。「カリフォルニアの青い空」は、ロスのほうか・・・と勘違いしていたことに気づく。街を行くひとたちの格好はさまざまで、Tシャツに半ズボンの人もいるが、オーバーやコートを着ている人もいる。実際、今日の気温は要コートだ。

私たちが泊まるホテルシビックセンターの近くの7th Streetにあった。実は隣の6th Streetは、サンフランシスコで最も危険な地区。出かけるときは、ユニオン・スクエアまでホテルの送迎バスがあるので、それで移動するようにとのこと。へええ、そうなんだ・・・、とこの時まではひと事のように思っていた。

ともあれ、今日は「おいしいもの」を食べに、チャイナタウンに行きましょうということになり(食事に困ったら中華!と言われているから)、ユニオン・スクエアまでバスに揺られ、そこから坂を登ってチャイナタウンへ。ところが、横浜の中華街のようなところを想像していたら、これもまた全然違って冴えない場所。とにかく汚い。売っているおみやげは横浜と大差ないが、すべてが日に焼けてほこりっぽく、食欲の失せる町だ。

さんざん歩き回った末、金龍か金鳳かと迷い、ドラゴンではなくフェニックスのほうを選んで入った店は、料金だけは一流だが、中はなんとも寂しい料理店で、味も中国っぽいし(嫌いな香辛料が入っているという意味。これって台湾料理?)、大雑把だし、中華料理の旨みというのがない。あああ、横浜のほうがなんぼかいいわ・・・とため息。この後、ここで食べたアサリのせいで、下痢になる。うげげ!

外は木枯らしのような風が吹いて非常に寒く、見物がてら歩いて帰ろうと歩いたはいいが、長袖のカーディガンを着ていても、凍えそうだった。ユニオン・スクエアを過ぎて7th Streetに入ると、もう暗い雰囲気が漂い、そこここにかたまっている黒人が怖い。あちこちで奇妙な叫び声が聞こえたり、暗がりに目と歯だけが白く浮かび上がっていたりして、ぞっとする。いつ襲われるかと思って、生きた心地がしなかった。

なにも黒人、いやアフリカン・アメリカンの全部が凶悪というわけじゃない。例えばバハマなんかはほとんど黒人だけれど、命の危険を感じるといった怖さはない。ともかく、ここはサンフランシスコの危険地区なのだ。あとで聞いたところ、7th Streetも十分危険だとのこと。昼夜関係なく、何があるかわからないと言われ、知らずに歩いたことを後悔し、何事もなくてよかったと心底ほっとした。危険地区だけでなく、繁華街であるユニオン・スクエアでも同様。街角にたむろするホームレスの黒人は怖い。

これ以降、私たちは外に食事に行くことさえもできなくなる。ちょっと一杯も無理。出かける場合は、必ず送迎バスで!というわけだ。

本日の総歩数9439歩。

夜中に、けたたましい笑い声と叫び声が聞こえてきて、それがしばらく止まない。どこの国にもバカはいるのだなと思っていたら、ホテルの人が注意しにきた様子。それでもしばらくは騒ぎがおさまらない。たぶんドラッグでもやっていたのだろう。

公共のトイレには、必ず注射針を入れる箱があって、サンフランシスコには重度の糖尿病の患者が多いのかしら?なんて思っていたら、ドラッグはそううるさくないが、一番怖いのはエイズなので、使用済みの注射針は、けっしてそのへんに捨ててはいけないということになっているそうだ。しかし、その針の数といったら、その辺にいる人がみんなドラッグ中毒でもおかしくないというほどの数だ。サンフランシスコってクレイジーだな。

明け方、うるささに部屋のドアを開けてみると、まるで生き物のように、霧がドアまで迫ってきていた(このホテルはドアが中庭に面している)。大気中をゆっくり漂う霧には意志があるようにも見え、この霧をモチーフに、ホラー小説でも書けそうな雰囲気。不気味。


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