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2002年06月08日(土) ■ |
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森のビア・ガーデン |
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アポロ13号がゴルフの練習に行くので、例によって私もついでに神宮を歩くことにした。でも今日は暑かったし、ちょっと頭痛もしていて、だいじょうぶか?と思ったけれど、とりあえず出かけてみた。でもやっぱり暑い。おかげで足の運びも遅々として進まない。
だいたい、神宮に着くまでにすでに疲れているから、歩きたくないがために、ゴルフ練習場でトイレに行ってみたり、水を飲んでみたり、一服してみたり・・・。しかしここまで来たのだから、しょーがないから歩かねば!と、絵画館周りをとりあえず1周。やっぱ暑い〜っ!というわけで、絵画館前のベンチ(目立つところにあるベンチではなく、池の横にひっそりとあるベンチが静かでよい)で一休みして読書。メイヴ・ビンチーの『タラ通りの大きな家』だ。
本の中にローズマリーという女性が登場する。彼女はかなり成功しているキャリアウーマンだが、スリムな体型を保つために、朝は仕事の前にジョギング、お昼は無脂肪のヨーグルトとりんごだけしか食べない。夜はパーティーなどがあってもほとんど食べず、早寝をする。その結果、グレイハウンドのような、しなやかな体なのだそうだ。
そうかあ・・・私もお昼は、梅宮アンナがこれで痩せたという「ビール酵母」入りのダイエット・ヨーグルトとりんご(はあまり好きじゃないので、他のものにしよう)だけにするかなあ・・・と思いながら、頭の中はすっかり「ヨーグルト=グレイハウンド」みたいな図式になってしまった。
しかしダイエットをしたいと思いつつも、したくない理由ならいくつでも考えつく。暑い、寒い、天気がいい、悪い、どうもお腹がおかしい、頭が痛い、肩が痛い、腰がいたい、着る服がない、靴が合わないなどなど、しなくちゃいけないというより、どうしたらしなくてすむかということばかりに思いをめぐらせ、屁理屈ばかり考えつくのだ。とにかく、「ヨーグルト=グレイハウンド」よ!
日が長くなったので、6時を過ぎても外で十分読書はできるのだが、30分も座っていたら、風が冷たくなって寒くなってしまった。なにしろ1周しかしてないもので。きりのいいところで読書はやめ再び歩き出したが、御苑の森より、神宮の森の木のほうがパワーがあるみたいだ。木に囲まれて座っていると、何かリラックスしていい気分になっていた。
途中で絵画館をそれて、イチョウ並木のほうを歩いてみた。少しずつ暗くなっていく風景の中に、小さなレストランの暖かな光が見えたり、オープンカフェの賑わいに心ときめかせたりして、なんかいい感じ。並木を過ぎて、北青山一丁目アパートのある裏通りに入ると、なんとそこにはアジサイが咲き乱れており、なんともステキな風景に、感動ものの驚きだった。
再び絵画館の周囲を歩いていくと、右手にオレンジ色の光がチラチラと瞬きだし、人声の遠いざわめきと、楽しげな音楽が聞こえてきた。バーベキューがメインの「森のビア・ガーデン」だ。この間通ったときには、まだオープンしていなかったのだが、少し前から営業しだしたのだろう。暗くなって星が瞬きだした空の下、大きな木の隙間から見える楽しげな光景。どれもはっきりとした姿が見えないため、目と鼻の先なのに、どこか遠いところで繰り広げられているようだ。ちょうど宮沢賢治の世界の中の、やまねこやきつねたちのパーティーみたいだった。
そんなことを思いながらひたすら歩いていると、携帯が鳴った。アポロ13号のゴルフの練習ももうすぐ終わるというので、一緒に帰ることにした。もちろんその後、やまねこやきつねたちの仲間入りをしたのは言うまでもない。
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