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2004年04月16日(金) “唯”と呼ぶあなたの声とその腕と



教室から窓をながめてた。

眩しかった。

それはけして太陽光線などではなくて

もっと根本的な、感じがした。


“唯”と、呼ばれるたび

胸が痛かった。

あいつがあたしを好きなのだということが伝わるたび

閉塞感に押しつぶされそうになり、泣きたくなった。


こんな麻酔でどんな傷を隠せるというのか。

甘いものじゃないのだ。

あんたの気持ちが伝わるたび、痛いんだよ。


あなたを愛しているから、そばにはいられないのです。

あんたがあたしを愛せば愛すほど

麻酔は切れていくね


求めても求めても届かない腕の先に握り締めた孤独を

誰よりあたしが知っていたはずなのに


どうかどうか泣かないで。


どうかどうか苦しまないで。


ごめんね。


一緒に学校にいこうって言ってくれてありがとう。

でも、断ったのは、あたしのエゴで。

これ以上はもう無理なんだよ。

あたしはあなたを愛してないの。

あなたと違う愛の形であなたを愛してる。


どうかどうかしあわせに。


もしカミサマがいるなら、あのひとを幸せに。





あたしには宮崎に奪われたものがあるの。

それはもう帰ってこないと分かっていて

それでもあたしは

明日も、手を伸ばすんだ。




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