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   Written by なお。
◆日記『心地よい孤独。』◆
孤独はいいものだということを我々は認めざるを得ない。
しかし、孤独はいいものだと話し合うことの出来る相手を持つことは一つの喜びである。
byバルザック
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2005年02月11日(金)
想起させるヒト。



ここ数日、朝の読書タイムに、山田詠美サンの小説をじっくりと読んでいる。昨年の12月にも数年ぶりに一度全作品を通して読んではいたのだが、やはり、一つの作品を丹念にゆっくりと読んだほうが、自分の中に浸透してくる感じがする。

で、昼間、お昼ごはんを食べた後、しばしの間、ぼーっとしていた時。
美里チャンのコトを思い出した。16歳の時初めて会った美里チャン。すごく綺麗な子で、彼女もまた山田詠美サンの小説のファンだったっけ。確か、二人で話した時、『晩年の子供』という作品の話をして、「子供って残酷で、それがまた可憐だねぇ♪」とか何とか、そんな、いい加減な話をしたような記憶が。。

彼女は、歌手を目指して都内へと引っ越した中学時代の友達の友達で、美里チャンもまた歌手を目指していた。一緒にテレビを見ていたりすると、突然一人で歌いだす、という癖があって、確か、CDを一枚出してたはず。

何回目かに美里チャンに会ったとき、彼女は年を誤魔化して水商売なんて始めちゃっていて(注;当時、16か17だったはず。)、「なんで今なの?」って私が聞いたら、「だって私に似合うでしょ?」って返されて、すごく説得力があったっけなぁ。。あの麗しい外見と、心地良く他者の脳内に響いてくるあの声で、彼女は一体男たちの財布からどれだけのお金を自分の財布へと強制移転させるのに成功したのだろうか。。今でも続けていたとしたら、凄いホステスさんになっているはず。

何となく。またどこかで会えれば良いなぁと思った。
少なくとも、彼女は、私にその存在を記憶させ、10年経った今でも、想起させるだけの力を持つヒト。前よりももっと、色々な話、出来そうな気がする。


━━━━━━━━その他のほざき。━━━━━━━━━━━━━━━━━
以下、山田詠美氏の作品『A2z』から、今日、引用した中で、上手いなぁ、あっぱれw、と思った箇所を少しだけ♪


★「おれ、でも、若い頃のナツより今のナツの方が、ずっと好きだよ。自分でそう思うから、余計な詮索するんだよ。女の色気は、与えられるより、こっちから見つけ出す方が楽しいじゃない。きっと永山もそう思ってるよ。ナツに色んなもの感じてるよ」 (p196)

★「(略)、人が恋をするのは仕様がないじゃない。でも、恋って、やがて消えるよ。問題は、心の到達出来ない領域にお互いに踏み込めるかどうかってことじゃない?二人の間には、その領域があって、そこのスペアキーをどこかに預けているような気がする」 (p197)

★良心かあ。久し振りに耳にする。その言葉。考えてみると、好きな人間が関わらない限り適用されない心の動きだ。恋をすると良心は蘇る。しかも、一番、身勝手な形で。 (p200)

★他人から見たら、あるべき男女関係をぶち壊しているように思えるかもしれないが、今の私たちには、これが形。それぞれの自分勝手が交差して均衡を保っているありふれた形。その中で、自分の思いだけはありふれたものじゃないと、皆、口に出さずに思っている筈。少なくとも、私はそう。それを確認する時、良心は疼く。私は、自分自身のためだけに恋をしている。他者と比較すべくもない、自分の内だけで醸成される感情を保つために。 (p201)

以上、書籍『A2Z』より引用。
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