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   Written by なお。
◆日記『心地よい孤独。』◆
孤独はいいものだということを我々は認めざるを得ない。
しかし、孤独はいいものだと話し合うことの出来る相手を持つことは一つの喜びである。
byバルザック
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2004年01月02日(金)
おばあちゃんの本棚。―高齢者の思いを探る−

0401021701.jpg私の祖母(80歳・私の両親と同居)は読書家であります。年間300冊は読んでいる様子。で、今日はその祖母の読書ルームの机にて、本を読んだりPCいじったり、コレを書いたり、、、の半日でありました。


で、休憩中に、祖母が読み終わった本を何冊か手に取ってみました。どうやら瀬戸内寂聴、辻人成、司馬遼太郎、高橋克彦、山崎豊子などが祖母の好みらしい・・・。

っうか、正直、小説ではなく軽めの本が読みたかったので、『たった一人の老い支度−実践篇−』(岡田信子/新潮文庫)というエッセイを選択。著者はアメリカで26年暮らし、50代で離婚し日本にUターンした方。


で、感想。“実践篇”と付いているだけあって、すぐに実行できそうなモノばかりだった。たとえば、勧誘セールスの断り方、節約ワザ、年金の積み立て方、など。
それに何よりも、高齢者を排除したがる社会的圧力の存在をしみじみと感じさせられる本でありました。ばあちゃん、大事にしなきゃなりませぬ。


個人的には“孤独”についての記述が興味深く感じた。最近、どこかで「男性は妻に先だ立てると死ぬ」という趣旨の統計を目にしたのだけれど、ソレを補完するような記述がチラホラ。以下、50代、60代の未亡人たちのコメント。


Aさん「かえって、手間のかかる人がいなくなり、すべて自由にやれるようになったので、花の未亡人を楽しんでいるわ」

Bさん「・・・・・実は、主人とは不仲じゃなかったんだけれど、亡くなってホッとしてるの。仏さまには悪いから、ここだけの話よ」

Cさん「男の人に抱かれたいなんて、あなた、そんなのもう卒業よ。岡田さんはどうなの?」



そして、著者の岡田氏は過去の離婚を振り返り、食事を例にして「むしろ孤独な家で、夫と1階と2階に別れて食事をしていたときの方が、食物は味を欠き、肌にも不幸せというくすみを与えていたように思う。ステーキは今買えるものの3倍もの分厚さと瑞々しさだったというのに・・・。」と、「二人で孤独より、一人でいる方が空しくない」と書いている。


0401021703.jpgあぁ、人生の大先輩方のお言葉、本質を突きすぎていて(→っうか、本質そのもので・・・。)私は衝撃を受けましたよ、ドスッと胸にくるものがあったな・・・。
そういや我が祖母も未亡人歴22年だなぁ。22年前、私が幼稚園から帰ってきたら祖父が亡くなっていた(→幸せな自然死でありました。)のだが、あの時ばぁちゃん笑顔だったしなぁ、、、とか思い出すとキリがないのでやめた。


けど、思う。少ない人生経験しかないけれど「二人で孤独より、一人でいる方が空しくない」のは紛れもない真実であーるよ。

ではそろそろ新年会の支度に取り掛からねば。。。
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