2012年11月04日(日) |
たった一人の中庭、覚書 |
にしすがも創造舎にて
・モンスターのソープオペラ。日常のごくありふれたシーンだとして、そこにいるひとの感情が読み解けないならそれは無表情とおなじ。感情を読み解けないのは考えを理解できないから。理解し合えば破たんするから? りんかくがとけていく。かたちをとどめなくなっていく。ただうごめくよくわからないいきものがそこにいる。ひたすら、こんなふうにみえている、ということ。現実がどうであるかではなく、そうみえていること、それは何も不思議なことじゃない。そうみえている世界があって、そこにいるモンスターはわたしでもあるかもしれないということ。
・白の意味、黒の意味、灰色の意味。わたしは黒に反応しすぎる、それはしかたないことだけれど、色のもつ意味にとらわれる。なぜ帽子だけ黒かったのか、なぜ灰色にきがえたのか。あいまいなもの? 間にあるもの? どちらでもないもの? 属性を奪われたもの? なぜウサギは白かったのか。ウサギのおしりが大きすぎたのが気になる。あの造形は意図的なんだろうか。
・水を求めて。水浴びを求めて。あらかじめ用意された部屋で。すでに頭は失われている。
・顔を見せないのはやはり、ずるいことだ。人と人でなくなる。お互いに。
・体という壁の内側にある、叫びだしそうな心のエネルギーとその外側で形をとる無表情、それを分断するものがある。それはなんなんだろう。絶望、あきらめ、恐怖、逃避、なんなんだろう。なんだったんだろう。
・事実のことはわからない。これは事実ではないから。ある人の目に見えている世界がこんなふうにかたちをとった。
・なぜあの女の人はあんなににやにや笑いながら楽しそうに見ていたんだろう。係のパスをつけていた? フリーパスなんだろうか。なんか気になった。訳知り顔で、うれしそうに、見ていたあの人が、ただの客なのにとても気になった。わからない。
・津波ってかかれるのはいやだった。それがどんな意味で描かれているのだとしても、いやだった。そのいやだっていう感情が、わたしの限界なんだろうか。
・白いボールのようなものたちに埋もれて太もももあらわにして寝転んでいる女子二人がなんだか遠かった。よくわからなかった。好きにしたらいいと思う、そういう場だから、でも、なんだか衝撃だった。その姿勢が最終的にたちあらわれたということが、よくわからなかった。
・肉の塊があった。肌色だった。でも、あれって黄色人種にとっての肌の色だよなあ。そういえば。毛のいろも黒だった。そういえば。
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