まーくん的日常...まーくん

 

 

男における勝ち組 - 2004年11月06日(土)

「負け犬の遠吠え」なる本がベストセラーになったこともあって、「勝ち組」「負け組」という言葉が頻繁に聞かれる今日この頃です。
女性においては、「独身・子無し」=「負け組」というのが定説化してきた感がありますが、では男性における勝ち組とは何なのか、負け組とはどんな人々をいうのでしょうか。
ちょっと考えてみたいと思います。

世の中の大半をしめる、「既婚・子供あり」という男性連中、これが果たして勝ち組かというと、僕にはどうもそうとは思えません。
というのは、そういった男性たちの大半は、自分のお金も時間も、すべて妻子を養うために押さえられてしまい、自由のかけらもないからです。
なんとか人並みであろうとしたばかりに、奴隷の人生を送らざるをえなくなった、そういうふうにさえ見えます。

いや、別に本人が幸福でさえあれば、問題はないのですが…。
大半の既婚男性が、結婚生活を重荷に感じているように見えるのも事実です。

ではその対極に位置する「独身・子供なし」が勝ち組なのかというと、そうも思えません。
独身者は既婚者と違い、実に勝手気ままな生活を送ることが可能です。
何十人、何百人もの女性と付き合っても、誰も非難しません。
それは、独身だからです。

でも、ツケは最後に回ってきます。
家族らしいものもなく、孤独な老後を送ることを、独身者はある程度覚悟せざるをえません。

「結婚の最大の長所は、実は妻を持つことではなく、自分を死ぬまで慕ってくれる子供を持つことだ」
そう誰かが言っていたのを聞いたことがあります。

そこが、何十人もの恋人を取替えて付き合うこととの最大の違い、僕もそう思います。

奥さんがその男性によせる愛情は、数年しかもたないかもしれません。
しょせん、他人同士ですから。

しかし、親子の情愛はまた別格です。
ことに、父親にとって愛娘は、永遠にプラトニックな関係の恋人のようなものです。

だから、こうじゃないかと思います。
本当の勝ち組の男性とは、
「娘がいて、彼女が一生そばにいて慕ってくれる男性」
ではないかと。
案外、「死別またはバツイチ、娘あり」、そう、榛野なな恵が書く漫画「Papa told me」の信吉パパのようなひとこそが、もっともうらやむべき男性なのではないかと思います。

生涯独身であった小津安二郎監督も、そういう人生にだけはどこか憧憬を持っていて、それをしばしば作品の中で描いていました。
男はやはり、そういう「永遠に自分の娘」のような存在を、本質的に求めているのかもしれません。


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