ずっと真に預けっぱなしの私の荷物があった。 真の家によく行ってたから、そのときに私が使っていたもの。 私が欲しいと言っていたCD。
真が持ってきてくれていた。
持ってくることは知っていたから、少しでも会えないかなとずっと待ってた。 真のバイクの音がするのをずっと聞き耳立ててた。 でも、わからなかった。
メールがきて、持ってきてくれてたことを知った。 時間を見たら、11時10分。 その時間は確かに私はまだ「まだ来ないな」って思ってた。 メールが届くのが遅れてたみたい。
運命ってのがあるのなら 今は会うべきじゃない そういうことなんだろう
見覚えのある私のものの中に、見覚えの無い黄色い紙袋。 訝しげに中を見ると、ラッピングされた小さな箱が入ってた。
・・・・・?
あの驚いた感覚は今でも鮮明によみがえる。
ハート型のピンクトルマリンの石に小さなダイヤが上にくっついて ホワイトゴールドのとても繊細な作りのチェーンに通ったペンダント。
お守りとして持ってて欲しいとあった。 できることなら毎日でも身に付けてて欲しいと。 10月生まれの私の誕生石。
涙が出た。 ずっとずっと大切にして身に付けていたいと、ただそう思った。 「深い意味は無い」とは書いてあったけど。 私にとっては重い意味を持つような気がした。
これからずっと、大切にするから。
夜が長くて辛いと手紙に書いてあった。 二人でいたときはあんなに短くて楽しかった夜なのにね。 二人で笑ったり喧嘩したり忙しかったのにね。
私にも、真のいない夜は、ながい。
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