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■西武・ザ・チルドレン。
2015年09月17日(木)
タイトルは僕が西武線沿線住人であることによる。

土曜日、子供達が通っている小学校の「道端で声をかけてきた怪しいおじさんから逃げる」訓練の手伝いをした。

僕はもちろん「怪しいおじさん」役だ。嫁も他の手伝い役で参加した。

うちの区には防犯メールがあって、登録しておけば何かあった際に区からメールが届くようになっている。最近の事例をいくつか挙げてみると

・男が、帰宅途中の女子中学生のお尻を後ろから触ってきた

・男が、帰宅途中の女子中学生の胸を後ろから触ってきた

・男が、登校中の女子小学生の胸を、すれ違いざまに触った

・男が、男子小学生に「すみません。口開けてもらえませんか。」と言い、歯を触ってきた

・帰宅途中の女子小学生に車の中からスクール水着を投げつけてきた

今月まだ半ばなのにこれだけ発生している。なんだよ歯とかスク水とか。僕らが演じる誘拐系ではなくて痴漢と変態ばかりでジャンルが違うけれど、これだけ頻繁に路上で事件が起きていてはうちの子らもいつ遭遇するか分からない。非常に有用な訓練であると言えよう。

訓練に出かけようとする時に

「グラサン持って行けば?」

と嫁が言った。この日記に何度か出てきた嫁自慢のレイバンのグラサンである。嫁がかけると白化したマイケルジャクソンみたいになる逸品。グラサンをしてれば怪しさが増し、子供達には分かりやすい記号になると思う。一応持って行くことにした。

僕の他にも近所のおっさんが5〜6人ぐらい「怪しいおじさん役」に招集されており、それぞれのキャラクターを生かすことになるだろう。バイオレンス系のおっさん、一見人のよさげなおっさん、僕は間違いなくオタク系おっさん。僕の他にもグラサンを持ってきてるおっさんもいた。訓練の流れとしては

1. 子供達、ふたり一組で歩く。

2. 怪しいおじさんが声を掛け、子供達を連れ去ろうとする。

3. 子供達、絶対に付いて行かず防犯ブザーを鳴らし、「子ども110番の家」(※)に駆け込む。

4. 子供達、子ども110番の家の人に怪しいおじさんの特徴や起こったことを正確に伝える。

5. 子ども110番の家の人は子供達から聞きとったことを警察に通報し伝達する。

※子どもに危険が迫った時に立ち寄れる緊急避難場所。地元の防犯に協力している商店や家等、それを示すステッカーが貼ってある。

こんな感じなので、どういう風にするかおっさん同士で話す。

「連れ去ろうとする時に手を引っ張っちゃったりしたらダメかね?」

「いやー、基本触れないほうがいいよ」

「グラサンする?」

「ラッスンゴレライって言われそうでやだなー」

「ズボンのチャック開けとかないと」

「それホンモノだから」

てなわけで教室にて訓練に参加する子供達と付き添い役のお母さん達、そして僕らおっさん達が顔合わせの挨拶をしてから訓練現場にレッツラゴー。いくつかのグループに分かれ、子供達は10人ほど、先生がふたりほど、付き添い役のお母さん達がふたり、そしておっさんひとり。

現場に着く前に子供達と話してみると

「すぐ逃げてやる!」

「やっつけてやる!」

とか活きのいいチビッ子もいれば

「こわーい」

お化け屋敷直前みたいな女の子もいて、あんまりびびらせてもトラウマになりそうなのでグラサン着用はやめといた。

で、各自所定の位置に着いてから訓練開始。先生にゴーを出されて通学路を歩き出す子供達ふたり。そこに僕が通りかかって

「すいませーん、ちょっと道に迷っちゃったんですけどー○○駅って知ってる?」

とか言って声をかける。

「車で来たんだけど、一緒に乗って駅まで案内してくれないかな?」

と僕がおいでおいでしたところで

「知りません!」

などときっぱり断って防犯ブザーを鳴らし、逃げてくれれば100点である。真面目にやってる子もいればニヤニヤしてる子もいるし、頭が真っ白になって棒立ちになってる子もいて面白い。

何組目かの子供達の時に悲劇が起きた。走って逃げる女の子が途中で転んでしまったのである。慌ててそばまで行って

「大丈夫?」

と起こしたけれどもかわいそうなことに膝小僧を擦りむき、泣いてしまった。先生がバトンタッチしてくれて学校まで連れて行った。弁明になってしまうけれども、子供が車道に飛び出したりする恐れがあったため、僕は驚かしたり追いかけたりはしていない。でも緊張していたんだろうなあ…。

こういうこともあるからもっとマイルドな演出の方がいいのかしら、とか考えていたら

「犯人が助けちゃだめじゃん!」

他の子供達にケラケラと野次られた。クラスメイトが転んで泣いてしまったというのに。

子供達全員が訓練を実施したところで教室に戻り、みんなでお疲れ様でしたと挨拶して終了。早速おっさん仲間のLINEに訓練の様子がUPされていた。

普通に人の良いおっさん過ぎて子供達がなかなか逃げないケース。ただの世間話になってしまっている。

スポーツマスクに軍手をして子供を追い掛け回したケース。それガチの通り魔か妖怪じゃないか。

そして僕のところで女の子が転んがことも当然あっという間に広まっており

「子供をびびらせ過ぎてコケさせたおっさん」

という伝説が生まれてしまった。通り魔に言われたくないわ。後でその女の子を見たら、膝小僧にでっかい絆創膏が貼られていたが元気に走っていた。よかった。親御さんがいわゆるモンペだったらどうしよう、と一応校長・教頭先生にも挨拶・報告をしておいた。

最後に怪しいおじさん役のひとりが

「おっさん達みんなで写真撮ろうぜ」

と言う。ちょうどそばに嫁がいたのでその人のスマホを渡して撮影を頼む。

「え、どこ押すの?」

「画面のここを…」

とかモタモタやっていたら

「あ!さっきの怪しいおじさん達が写真撮ってる!ワタシも入るー!」

訓練を終えた子供達も集まって来てしまいみんなで嫁に向かってピース。

「あれ…、まだ撮れてないっぽい」

「ちょっとー!おたくの奥さん機械弱すぎだよ!」

「ごめん、うちのかみさん、まだガラケーなんだ…」

亭主には強すぎなんですけどねえ…。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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