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■かけつけ牛丼一杯。
2005年02月12日(土)
「Rと出掛けてきます」

休日の朝、嫁が娘・R(1才)とどこかに行く支度を
していた。一体どこに行くのだろうか。

…なんてことは聞けない。僕は好き勝手に出掛けているし、
増してや嫁を欺いて女の子と飲みに行ったりしているし。
おまけにそういう隠し事は必ずバレるし。そうすると
一ヶ月は尾を引くし。ちなみにただいま3週間目である。

「あなただって行きたいところに行っているのだから
 私だってどこに行ってもあなたの知るところではないでしょう」

こんなことを言われるのがオチである。

「じゃ、帰りは何時ごろになるのかナ?」

とりあえず少しだけ探りを入れておこうと思い、
薄ら悪い愛想笑いを浮かべて聞いてみた。

「うーん。午後」

嫁の答えは超曖昧。うぬぬぬ…。

「じゃ、僕は昼ゴハンはどうしよう」

「私たちは向こうで食べるから、あなたは吉野家にでも
 行ってよ。今日一日だけ牛丼が復活するんでしょ」

「あ、そうか!今日だったよね!吉野家!よーし、
 お父さん大盛り頼んじゃうぞー!」

「じゃ、いってきまーす」

「じゃあねーばいばいー」

バタン(ドアが閉まる音)

…なんだか上手くごまかされたような気がする。
しかし僕に「行くな」と言う権利は微塵もなかった。

嫁の言うとおりひとり寂しくモソモソと吉野家の
牛丼を食い、このまま僕もどこかに遊びに行って
しまおうかとも考えたが、嫁が帰ってきた時に
僕が家に不在だとまた何か言われそうなので
大人しく家に帰り、まんじりともしない昼下がりを
悶々と過ごした。

まさか嫁は二度と帰ってこないんじゃ…?
冗談は吉野家ー!

などと発狂寸前になっていたら帰ってきた。

「おかえり…」

「ただいま」

「ゴハンはどうした?」

「食べてきたわよ。ああ今日は充実した一日だったわ」

どこでメシ食ったのだろう。どこがどのように
充実したのだろう。僕は夜、なかなか眠れなかった。

僕も目が充血した一日だったよ…。


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