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■しっぽり温泉うっとり温泉。
2004年10月04日(月)
箱根で泊まったホテルの中を嫁と母、娘・R(1才)で
うろついていたら露天の「足湯」を見つけた。

「足湯」なら男湯と女湯に分かれることなく
みんなで入ることが出来るので嫁に

「足湯やるべ足湯」

嫁を誘って入ろうかと思ったのだが、嫁は足湯の様子を
窺った後、

「今、若いカップルがしっぽりと入ってるから邪魔しちゃダメ」

などとおやじ臭いことを言うので

「どうせあそこでしっぽりした後、部屋の中でずっぽりするんだから
 別にいいだろ」

これまたおやじ臭いことを言い返したが却下されてしまった。
その後ホテル内を探索した後、エレベーターで部屋に戻ろうとしたら
その足湯しっぽりカップルと同乗してしまった。

2人とも湯上りで頬が赤く染まり、お揃いの浴衣を着てピッタリと
連れ添っている様は確かにとてもしっぽりしている。
若いカップルなのに箱根の温泉旅行などというのは渋い。

「でもこういうところって不倫のカップルが似合うよね」

エレベーターから降りてから嫁と母にそんなことを言ってみた。

箱根とか熱海とか、東京から近場の温泉というのは、どこか淫靡な
匂いを漂わせる不倫のカップルによく似合うような気がする。
このホテルにも部屋ごとに露天風呂が付いているところがある。
きっとそれはあまり他の人と会いたくない不倫カップル向けに重宝
してるのではないか。すると母も

「そういえばお母さんも前に行った温泉でさ、食堂にすごい年の離れた
 カップルがいてね、ありゃ不倫だよ。結構見るよねえ」

したり顔で言っていた。なるほどそうであるか。

温泉…人目を憚りしっぽりする男女2人…浴衣…湯煙り…
しっぽりの後ずっぽり…いいねえ…趣があってとてもいいなあ…

うっとりしながらニヤニヤしていたら

「どこがどういいのか説明しなさいよ、え?」

嫁に首を絞められた。しまった口に出して言ってしまっていた。

こういういつまでも浮気心があるヤマッ気こそ「足湯」に入って
足を洗えばよかったんだ。きっと。

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