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■ガラスの勝手でしょ。
2004年07月12日(月)
ベランダで煙草を吸っていると、娘・R(11ヶ月)が
興味深そうに追いかけてくる。

もちろん家の中に煙が入らないようにガラス戸を
閉めているので、Rはベランダまで来れない。
しかしRはガラス戸に手を当てて捕まり立ちをし、
僕が煙を吐く様子をじーっと見ているのである。

ガラス越しに見つめ合う僕とR。Rは触りたいのに触れない
もどかしさからか、ばんばんガラスを叩く。それが昔ドラマで見た、
服役している受刑者に恋人が面会に来たシーンを連想させた。

ここではムショにぶちこまれているのは僕だ。
Rは面会に来た恋人役。そしてこのベランダが面会室。

「僕はね、煙草吸っちゃいけないの刑で
 おつとめ中なんだよ。ごめんなあ…」

「あぱぱぱ」

「お前を一刻も早くこの手で抱きしめたいよ…」

「あぱ!(ばんばん)」

Rと面会ごっこをしている内に、僕は盛り上がって
来てしまい、感極まってしまった。それで、これも
ドラマのシーンにあったのを真似して

「R…ガラス越しにちゅーしておくれ…」

ガラスに唇をむちゅーと突き出し、Rが口づけしてくれるのを
待った。さあR。どうしたR。父に暖かいベーゼをおくれ…。
ガラスが曇るほど熱い吐息を吹きかけていたのだが

しゃっ。

なんと、カーテンを閉められてしまった。

娘の冷たい仕打ちにより面会打ち切り。
ベランダに取り残された僕の刑罰。

それは無視懲役であった。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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