■酔っ払いのねーちゃんは2度沈む
2001年02月06日(火)
終電間際の駅前。駅から吐き出されてきたばかりの
酔っ払い千鳥足ねーちゃん。
西友の自転車売り場の50倍の数はあると思われる、
ずらりと並んだ駅前の路駐自転車の中から
自分の自転車をよたよたと引っ張り出そうとしている。
そのねーちゃんのトイメンには、
ゲーセンの前で何をするでもなく座っている僕ら。
どがっしゃああああん!!!
深夜の雷鳴のような金属音。
酔っぱねーちゃんが大コケして自転車を将棋倒しにし、
自らも自転車の海に埋もれていた。
目の前でぶっ倒られてさすがに放っておけない僕ら。
何人かが自転車を並べ直す。
「す…すいませ〜んむにゃむにゃ…」
全然懲りてないね〜ちゃんは自分の自転車を
起こし、ふらふらと片足をペダルに乗せ、
もう片方で地面を弱弱しく蹴って出発しようとする。
見るからに危なっかしい。
あれ…足、おかしくないか…?
「ちょっと!ペダルに乗っける足が逆!!」
僕は思わず声を上げたのだがそれが逆効果。
「え…?」
気を取られてしまったね〜ちゃんはバランスを崩し
ぼっふ〜ん。
ゴミ袋が山のように積み上げられたゴミ置場に
突っ込んだ。
「かじりん!!足、ちゃんと合ってたぞ!ワナしかけてどうすんだよ!!」
仲間に怒られた。あれ…錯覚か。
「ご…ごめん…気をつけて帰ってね…」
僕が焦りつつ謝ったが
「す…すいませ〜ん」
ふらふらと遠ざかっていくだけだった。
ね〜ちゃんを見送った後
「全く!トドメ刺してどーすんだよ!」
また仲間に怒られた。僕は照れ隠しに言った。
「ふ…今の女、拉致れたな」
「拉致らねえよ!」
どうか無事帰っていますように。
今日もアリガトウゴザイマシタ。
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