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■眠れる森のオタク王子
2000年09月13日(水)
彼女がやってきたのが一昨日の夜。
横になってテレビを一緒に見ていたら寝てしまった。

気付いたらもう明け方の4時だった。
彼女の姿はなく、どうやら帰ってしまったようだった。

ふと、パソコンに目をやるとキーボードの上にメモが置いてあった。

「ぐっすり寝ていたので起こさないで帰ります」

…こーゆーことやられるとめちゃくちゃ気が重いんだけど。
向こうは気を使ってくれたのかもしれないが。
引っ叩いてでも起こしてくれた方がありがたかった。

それで「悪かったね」と電話を入れたのが昨日の晩。
しかしちょっとイヤミも言ってみる。

「ちょっとは起こそうとしてくれてもよかったじゃないか」

「一応は起こそうとしたのよ」

「どうやって」

「ちゅうっ、て」

「は?」

「ちゅーって。寝ているあなたの唇奪っちった。でも起きてくれなかった」


ケータイを放り投げて夜道を全力疾走したくなるほど
恥ずかしくなった。


「僕は眠り姫ではないし、君も王子様ではないぞ。
 大体そんなんで起きるか?僕の寝起きの悪さを知ってるだろう?」

意味もなく威張り出す僕。

「あ!かじりんね、寝ながらビーマニやってたよ!
 指がぴこぴこ動いてたよ」

「まじで?そこまでオタクだったとは…
 しかし人が寝ている間にあんま悪さするなよなあ」

寝首を掻かれなかっただけ、まし、か。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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