| 口笛吹いてやって来たのは |
口笛吹いてやってきたのは、ステキな王子様なんかじゃなくて
あたしにぞっこん（死）の斉藤と、犬猿の仲の石垣でした。
ナツさんの言葉を信じてたのに・・・。
・・・ナ〜ツ〜さぁ〜ん〜（恨）
斉藤は適当にあしらいました。
あいつの事はどーでもいーんです。
昼真っから麻雀やってて予備校もサボりがちで親に無駄金払わせてる様な浪人生は、クソ死んじゃえって感じです。
やる気ねー奴がいるとこっちまでやる気なくならぁ。
石垣もどーでもいーです。
斉藤が”サチに振られたー”って喚いてたと言われようが、あたしには身に覚えのない事です。
話していたら、”なんかお前丸くなったなー”って言われました。
浪人してから自分でそう自覚はしていたけれど、電話にまでそれが伝わるって事はよっぽど重症です。
”以前は角張っとった”と奴は言いましたが、もうちょっと他に言い方があるだろ。
”トゲトゲしい”とか、ナイフみたいとか…。
”角張っとった”って、
まるであたしの顔がゴツゴツみたい
じゃないの！
それにしても、どうしてこんなに穏やかになってしまったのかしら。
以前のあたしなら、殺気のオーラで先制攻撃し、
一言一言軒先から急降下してくる鋭い氷柱の様に喋り、
会話という会話を殆どさせなかった。
まーるく、やらかーくなったスポンジみたいな氷柱じゃぁ、痒いかも知れないけど痛くはないわな。
どーしたのかしら。
嫌いな人が減ったのかしら。
まぁ、少しでも合ってないと、特にあたしみたいな嫌な事をすぐ忘れてしまうような奴は、嫌いだった奴も嫌いじゃなくなるのよね。
あたしが今丸いのは、誰にも会ってなくて嫌いな人が一人もいないからだわ。
学校行くようになればまた元に戻るんでしょうけど。
今だけ・・・・今だけあたしはとっても性格の良い可愛気のあるピュアな女の子よ！
そんなサチはどーですか、白馬に乗った王子様第一候補者のユ‥（削除）
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2001年08月11日(土)
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