めずらしく用事があり、八王子の山の中までいった。 予定では、朝早い時間、少なくとも午前中に家を出て、用を済ませるはずだった。午後3時には立川ウインズにいける計算だったのである。 けれども、前夜、酒を飲み過ぎて、寝坊した。休日に用があるというのは、それだけでなんだか損した気分になるものだ。結局二度寝して、起きたのは昼過ぎだった。 おかげで秋華賞に間に合わなかったが、私はどちらかというと、でかいレースより、多少マイナー気味のレースの方が好きである。素人にとって、でかいレースは、予想するまでもないガチガチか、予想をはるかに超えた大波乱かのどちらかだからだ。 今日はその大波乱の日だった。最終レースだけ買えればいいやと思ってウインズに入ったら、まさに秋華賞が決着する瞬間だった。いつもながら、100人以上の人間がさんざんわめきちらした末に、いっせいに静まり返る瞬間は筆舌につくしがたいものがある。
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