人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2002年11月17日(日) はじめて付き合ったひとのことなど

恋人の兄弟姉妹って結構やっかい。

私がはじめて付き合った人の話なんだけど、よく考えたらもう、彼と付き合っていたのは7年前のことだった。なんか、そんな昔だったなんて信じらんない。
そりゃ、ふとした拍子に思い出したりする回数は、別れた当時に比べれば格段の差で少なくなっている。なるほど。年月経つというのはこういうものなんだな。彼との恋愛にまつわる多様な痛みも、記憶ではあるけれども痛み自体は忘れてしまったし。
でも、あの時が一番、恋愛にうつつを抜かしていた時期だった。

彼は、ひと学年上の高校の先輩だった。私の前にやはりひとつ年上の恋人がいた、そういう人だった。
放送委員会で知り合い、映画部に誘われ入部、挙句生徒会にまで連れ込まれた。人手不足だった部署に引っ張られたといっても過言ではない。
彼は、そのときカエが好きだった。カエも放送委員であり映画部員であり生徒会役員だった。多分、カエ(仮名・過去日記にも出てくる、現私の一番親友)も彼がとても好きだったんだと思う。カエ自身、そのことに触れられたくないようなのでよく聞いてはいないのだが。
でも彼は、いつしか私にも惹かれていた。カエと私はとても似たところのある人間だが、その他はまったく異なる。容姿も、音楽の趣味も、家族背景も、生活歴も。だからこそ、合ったのだと思うが。

タイプの違うふたりに同時に惹かれた彼。しかもふたりとも彼を拒まない。そこで、彼がとった行動というのは、カエと私、両方と付き合うということだった。
それは、私とカエが『自分恋愛の話を他人にすることは嫌』と思っていたことを、彼は知っていたからこそしてしまったことなのだと思う。
実際のところ、私たちはふたりして気付かぬまま、半年近く二股かけられていた。
だって、毎晩電話1時間してたし、土日どっちかも必ずように会ってたから、気付ける要素がなかったんだもの・・・ふたり公平に行動していた彼のその手際よさも今思えばすごいけどな。やり手だ。
すごく格好いいわけでもないのに、カエと私は彼に付き合ってもいいかな、と思う程度の好意を持ってしまった。今もって、どこがよかったのか謎。でも、人の話をよく聞いてくれる人だった覚えはある。

そんな彼、4人姉がいた。5人兄弟中、4人が女。しかも両親は離婚しており、母が引き取っていた。ということは、6人家族の中で男ひとり。
私が高校生のときは、携帯電話なんてなかった。ポケットベルも極少人数だけがもっているような時代だった。
だから、彼から電話のない日は、家の電話から彼の家に電話をする。そうすると、ご家族が出る。私は高校生なりに精一杯丁寧に話す。
『××高校の後輩の佐々木と申しますが、○○先輩いらっしゃいますでしょうか?』
しかし、彼の家の人たちは、大変愛想悪い。特に、2番目のお姉さんは彼がいようといまいと取り次いでくれなかった。・・・なんなんだかな。

万が一、彼と結婚することになっていたら大変だったと思う。姑に小姑4人。考えただけでも頭痛がする。
今の彼は、お姉さんがひとりいる。お姉さんは旦那さんとは死別しており、子どもふたりと暮らしているそうだ。
そんなお姉さんに彼は私のことを言ったそうだが、やはりそれなりの年齢になると「いいんじゃない」とにこやかだったらしい。
そか、いいんか・・・。
いつか、彼のお姉さんとその子どもたちに会ってみたいと思う。

嗚呼、高校時代の彼はお元気なのかしら?
また女を複数たぶらかしていないか、ちょっと心配。だけど、ちょっと楽しみ。そっと様子を覗きに行きたいような気もしたりして。
でも実際にばったり道でなんか会ったら、今なら私、殴りつけてしまうかもしれない。
なんせ、現彼に言葉でしかってもダメな場合、頭突きして言い聞かせるような女になってしまったもの。

ま、人生色々ありますわな。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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