人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2002年09月12日(木) ある市民窓口戸籍係美人受付嬢の呟き

それは、昼下がりのことだった。

昨日は研修だったので、同期みんなと顔合わせだった。

「私、気になることがあるの」と彼女は言った。

某市職員で、スーツにハイヒールで街を颯爽と闊歩する、なかなかきれいなお姉さんな彼女は、私の同期。某市役所市民窓口受付嬢(戸籍係)。

「『宇多田ヒカル、入籍!』っていうのは、実は間違いなんよね」

「え?」と彼女を見返したのは、戸籍に関係のないお仕事についていた他課の私たち。

「私も勤めるまで知らなかったんだけど、『入籍』と結婚する『婚姻』て、全然別物なんだよ。だから、芸能人のスクープとか会見のマスコミの報道する『入籍』って、いつから始まったことだか知らないけど、正しくないんだ」

と、彼女は語りだした。

「結婚するときに出す届は『婚姻届』でね、決して『入籍届』ではないの。でも、『入籍』って言葉がないわけではなくてね、『入籍届』っていうのもちゃんとあるのよ。『入籍』は離婚して妻が夫の姓から抜けて、自分の戸籍を作ってね、子どもを夫のから妻のに入れ替えることで・・・」

私たちの質問が間々に入ったので、彼女の話はこの後少々長くなってしまったのだが、結論的には、

「夫婦が離婚するなどした場合、母が親権を取った場合、子どもを父の籍から母の籍に入れ直すこと = 入籍」
「男女が結婚した場合 = 婚姻」

と、いうことであった。
やだわ、じゃあ、ちょっとみんな、愛し合っている者同士の養子縁組ならまだしも、婚姻だと『入籍』じゃなかったつうことじゃないか。

で、世の中の人はどうなんじゃろと、何となく己らの無知さ加減がどの程度なのか気になって、お家に帰って懸命にネット検索してみたところ、やはり、同じことについて書いている★元市民課職員の危ない話★WOM道浦俊彦/とっておきの話のページがあった。
やっぱり勘違い、というか知らない人多かったんだなあ。よかった。

本当、マスコミで頻繁に『入籍』と使われているものだから、正しい用語なのかと思って使っていた。だけど、専門的にはまったく別物だったんだねえ。ひとつ賢くなったよ。
知っている人から見れば、おかしな使用法だったんだねえ。そりゃ、目にするたび、耳にするたび、気になるわな。「ちが〜う!」って突っ込んじゃいますわな。
だけど、こんだけ世で使われているってことは、『入籍』=『婚姻』って認められているってことなのかなあ。俗語、みたいなもの? 俗語かあ・・・

そんなわけで、これからは私は彼女らに習い、『入籍』は正しく使っていきたいと思う。だから、先日の日記の『入籍』という記述は、誤った使用例のひとつということで。
では。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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