I think・・・(かくれ対人恐怖症にっき)



 灯り

薄暗くなってから家路についたとき
ふとよその家からさんまの焼けるにおいが漂ったりしてくると
空腹と孤独といろんなことがいっぺんにやってきて
悪いことを何にもしてなくても
なんだかごめんなさい・・・ってあやまりたいきもちになる。


無数にあるかのように見えるマンションの窓も
昼間はこっちを睨んでいるかのように見えるのに
夕方になると
虫食い状に灯りがともる。
その灯りをぼーっと眺めてると
それぞれの人たちがそれぞれの人生に
毎日必死で灯りをともしているのを
垣間見るかのよう。


わたしと違う他人の灯り。
何に必死かはいろいろだけど、
必死で灯りをともす様子に
一瞬同調しようかとおもう。
でもどこかよそよそしげで、硝子のように冷たく
それぞれにあったかい。
同調しようとうらやましかろうと優越感に浸ろうと
そこに一線がある。


さあ、うちに帰ってあかりをともそうか。


2002年05月23日(木)
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