2016年09月01日(木) |
サッカー日本代表、ホームで黒星発進 |
日本のスタメンは、GK西川周作(浦和レッズ)、DF酒井宏樹(マルセイユ/フランス)、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、森重真人(FC東京)、酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)、MF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)、大島僚太(川崎フロンターレ)、香川真司(ドルトムント/ドイツ)、本田圭佑(ミラン/イタリア)、清武弘嗣(セビージャ/スペイン)、FW岡崎慎司(レスター/イングランド)
大島僚太の抜擢は大失敗に
意外だったのが、中盤に起用された大島。大島は代表試合初先発。柏木の負傷欠場の代役らしい。だがその大島が「アンラッキーボーイ」となって、日本がホームでUAEに1−2で負けた。筆者は拙コラム(4.22)において、この試合は引分けだと予想したのだが、それどころではなかった。初戦、ホームで負けるというのは、最終予選の先行きに大いなる不安を抱かせる。
前出のとおり、敗因は代表初先発の大島。この程度の選手を大事な初戦に抜擢した代表監督(ハリルホジッチ)にすべての責任がある。Jリーグを見渡しても大島くらい力量の選手はいくらでもいるだろう。抜擢した根拠を知りたいものだ。U23五輪予選、リオ五輪をみていい選手だと思ったのかもしれないが、世界のサッカー界は五輪(U23)に重きを置いていない。そこで活躍した選手より、Jリーグで実践を積んだ選手を起用すべきだろう。
大島のポジションは長谷部と並んでのダブルボランチ(セントラルミッドフィルダー)。二人の役割を大雑把に言えば、長谷部が守備的で、大島は攻撃的――攻撃の基点となる組立と前線へのパス供給だと思われる。ところが、大島はそのどちらも全うできなかった。期待されたパス供給については、怖がって横パス、バックパスばかり。ボールを奪わることを恐れたためだろう。攻撃のイメージの共有という意味においては、サイドからなのか、それとも中央の本田に預けてペナルティーエリア内で勝負するのかが不明確なまま時間が過ぎた。大島の攻撃のイメージと前線の動き出しがシンクロせず、速さのある攻撃の回数が少なくなっていた。
大島は守備でも致命的ミスをした。後半9分、ペナルティーエリア内で大島がハマディに足をかけてしまいファウル。PKを与えてしまう。ハマディがキープしてファウルを誘っている状況で不用意に足を出すのは経験がないため。この得点が決勝点になったわけだから、大島の「アンラッキーボーイ」の極めのプレーだった。
ハリルの代表選手選考は疑問だらけ
初戦のプレッシャーを考慮すれば、ボランチには経験豊かな選手の起用が常識的。日本は伝統的にボランチにはいい選手がいたのだが、最終予選の初戦で大島に先発ポジションがまわってくることの方に奇異な感じを覚えた。日本サッカーのこの先が大いに思いやられる。さらに、ボランチの4選手が、長谷部、柏木、大島、山口蛍という選考がわからない。柏木が故障したら大島か山口とは・・・
大島ばかりに責任があるとは言えない。攻撃陣に冴えがみられない。本田は得点したが、流れの中からではない。香川、岡崎、清武はもちろんのこと、交代選手にも得点の匂いが感じられない。豊田、ハーフナーといった大型CFWの起用を考えた方がいい。
タイ戦に勝ち点1以下ならハリルは更迭
なお、主審の笛がUAEに有利だったという見解もある。主審のジャシムはカタール国籍。UAEとは同じアラブ同士。しかし、リプレー映像を見る限り、大島のファウルは明らか。むしろ、後半33分、途中出場のFW浅野拓磨のシュートが得点として認められなかったシーンのほうが微妙だった。リプレー映像ではゴールラインを越えたかのように見える。ゴール横に副審が立つようなルールだったら得点になったかもしれない、“微妙な判定”には違いない。だが、何度も言うように、日本の実力ならば、UAEに圧勝しなければいけないのだ。
この布陣のままタイでアウエーの試合を迎えるのだから、不安が拭えない。前出のとおり、筆者の4.22の拙コラムの予想は、「UAEと引分けなら、タイにも苦戦」というもの。悪い予感が的中しそうだ。タイから勝ち点3を取れなかったら、ハリルホジッチの更迭を考えなければなるまい。
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