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2015年05月06日(水) シュラン(守乱)フランシスコ

直前の拙コラムにて予測した通り、読売の新外国人フランシスコの守備が読売の足を引っぱった。4−6日の広島三連戦、フランシスコは守備で「大活躍」を見せ、広島三連勝に「貢献」してしまった。

初戦は9回裏インフィール・ドフライ落球珍プレーの主役の一人。二戦目は初回、イージー・ファウル・フライを落球して読売の大量失点の火付け役になった。三戦目ではバンド守備を誤り、広島の先制点に結びつけた。いずれの失点も勝負を決するポイントにおける大ミスである。一方の打撃も振るわず、戦力になっていない。

フランシスコは三塁が本職で、一塁はあまり経験がない、という見方もある。広島三連戦では三塁守備に入ったが、緊迫した場面ではなかった。当然、村田との比較になるが、筆者の見方では村田よりも下手だろう。打撃については両者とも不調だが、フランシスコの場合は、ボールにバットが当たらないから、村田に分がある。どう考えてもこの補強はむだである。繰り返しになるが、ロペスとは比較にならない。ロペスを自由契約にしたツケが回ってきた。

フランシスコ入団の主因は、阿部の一塁コンバート。このことは自体は誤りではない。そういう選択もある。ただし、ロペスと競争させて、正一塁手の座を得るのならば、という話だ。ロペスを自由契約にして、一塁を空けて阿部にポジションを与えたのが大間違いのもと。

何度も書くが、読売は投手及び外野手はダブついている。故障者が出ても補える。ところが、捕手と内野手は手薄である。いま一塁手・阿部(阿部は守備が下手なので、一塁レギュラーの資格はないが)及び遊撃手・坂本が故障、外野手兼一塁手の亀井、堂上が故障でファーム調整中。外野陣では、手術明けの長野、守備の人・松本が打撃低調。選手層の厚い読売でも、さすがに手が足りなくなってしまった。阿部の捕手復帰は FA移籍で入団した相川がケガをしたためだといわれているが、相川不在は実松・小林・加藤で賄えている。

読売の主な登録抹消選手をリストアップすると、投手で大竹、内海、西村、捕手で相川、捕手兼一塁手で阿部、遊撃で坂本、一塁手兼外野手で堂上、亀井、外野手で松本、セペタ、矢野と、豪華絢爛たる面々が一軍から外れている。

逆に6日の広島戦の先発メンバーを見ると、一塁フランシスコ、二塁片岡、三塁村田、遊撃井端と、内野手すべてがFA等の移籍でやってきた選手で占められている。FA制度がなければ、読売は崩壊していたことになる。それでも、広島に三連敗で、しかも内容が悪い。

このことも何度も書くことだが、いまの読売は投手力と守備のチーム。打撃は期待できない。堅守の一角、遊撃坂本がいなくなって井端が一塁から遊撃にまわったとたん、こんどは一塁が手薄になった、と原監督は感じたのだろう。焦りである。

そこでフランシスコという原監督の選択だが、結果的にいまのところ、うまくいっていない。何試合か消化してフランシスコが戦力になるのかといえば、おそらく今シーズン中は無理だろう。だから、緊急措置としては、坂本の穴を井端で埋め、一塁は守備の無難な大田かアンダーソンでしのぎ、無駄な失点を防いで接戦で勝つパターンを持続すべきだった。

いまからでもおそくない。フランシスコを二軍に落とし調整させ、いまいちど、守備をしっかり固め、これまでどおり「粘りの戦い」に戻ることが読売にとって重要である。


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