2014年09月07日(日) |
アギーレジャパン、初戦は完敗 |
サッカー日本代表が監督交代(ザッケローニ→アギーレ)後、初の親善試合をウルグアイと行った。結果はご承知のとおり、0−2の完敗。失点は代表初召集のセンターバック(CB)坂井達弥のミスからだった。日本代表の最大の課題である守備、とりわけCBの強化が浮き彫りにされた。
ミスをした坂井達弥は責められない。そもそも、坂井達弥は所属するクラブである鳥栖のレギュラーではない。たまたま鳥栖の試合を観戦した新任のコーチの目に留まっての招集だという。経験もなければ、実績もない選手をいきなり試合に出すアギーレにはまったく、「アギーレ」た。
こういう選手起用法をひらめき采配という。が、概ね失敗する。スポーツ選手の実力というのは、アベレージで計ることが一般的だ。たとえばボーリングの場合、たまたまパーフェクトを出した選手をたまたま見て、その選手を国際試合の代表に送り出しはしない。ボーリングに限らず、アベレージが目安なのだ。ゴルフでもビギナーズ・ラックというのがある。初めてグリーンに出た初心者がびっくりするようなスコアを出すことを言う。坂井達弥の招集もこれに近い。こんな代表選出をするアギーレに代表監督としての手腕があるのか疑問だ。
選手交代の意図も不明なままだ。ワントップの皆川佑介から武藤嘉紀の交代が後半の13分。この交代は妥当だろう。31分に、ステム変更して、田中順也に代えて柿谷曜一朗を投入。以下、SB酒井宏樹から酒井高徳の交代が42分、森重真人から森岡亮太が後半44分と、後半40分過ぎの交代は試合の趨勢を覆す意味を持たない交代のための交代だった。初召集の選手を試合で見てみたいという気持ちはわかる。ならば、ブラジル大会経験者(岡崎慎司、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、川島永嗣)を代えて、ブラジルに行かなかった選手を試すべきではないか。
試合に出続けたブラジル組も輝きを欠いた。とりわけ本田の不調ぶりは際立った。スピードがない、フリーキックもだめ、シュートを打てない・・・右サイドという本田にとって新しいポジションだが、適性があるのかは未知数。このポジションの選手としては、ブラジルW杯オランダ代表で大活躍したロッベンが有名だが、本田はスピードがないので、内側に切り込む怖さがない。ロッベンの足元にも及ばない。ウルグアイに限らず、堅守の代表チームならば、簡単に守備できる。つまり、本田の右サイドはワールドクラスのレベルではつかえない。いよいよ、本田抜きの日本代表を本気で考えないといけない時期にきたようだ。
この試合の位置づけは、アギーレという外国人監督の下、ブラジル大会の余韻の残るこの時期、ブラジルに行けなかった日本の代表サポーターを対象とした、協会、広告代理店、TV局、スポンサー共同のサッカー興行にほかならない。強化をしたいのならば、海外に出て行って試合をすべきだ。
欠点ばかりが目立ったアギーレの初陣だが、新しい可能性も見えた。ワントップにフィジカルの強い皆川を起用したことだ。皆川は惜しいシュートを放った。ザッケローニが頑なに採用しなかったフィジカルの強いワントップ起用が、アギーレによって実現した。
このポジションには、今回招集されなかったハーフナー・マイクもいる。ハーフナーには、スペインリーグで成功して日本代表のエースに成長してもらいたい。おそらくワントップは岡崎、皆川、ハーフナーの三者が競うのではないか。
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