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2014年09月05日(金) 広島、阪神は対読売でみせる中畑DeNAの闘志を見習え

日本プロ野球(NPB)セリーグのペナントレースはどうやら、読売の優勝で決まりそうだ。終盤の首位攻防戦で阪神(2−1)、広島(3−0)に勝ち越し、ゲーム差を広げた。筆者の予想は阪神優勝で読売は2位としたのだが、外れる可能性が強まった。

今シーズンの読売は万全ではなかった。故障者が多く、前半は内海、沢村、西村、山口、高木京らが離脱。8月〜9月初めにかけては大竹、エース菅野が離脱。一年間ローテーションを守ったスターターは杉内ただ一人。

しかし、小山がローテーションに入ってから安定度を増し、菅野の穴を埋めるべく沢村、内海が復活して、終盤の勝負所においては、杉内―大竹―小山―沢村―内海の五本柱が確立された。中継ぎ、抑えは昨年ほどの安定感はないものの、香月、青木、江柄子らが地味ながら仕事をこなし、西村、山口、マシソンで勝ち星を拾っている。

野手陣は捕手阿部の調子が悪く、村田、坂本、ロペスも低打率に喘いでいたが、ゲーム後半になると得点圏で有効打が出る勝ちパターンが定着。競り合いでゲームをものにしてきた。

現在の先発野手を見ると、開幕当初と変わらないように見えるが、橋本、亀井、片岡、長野、高橋(現在も離脱中)は故障で離脱していた期間があり、それを経ての8月末〜9月初の復帰である。

レギュラークラスの入れ替わりが激しく、クリーンアップを打っていたロペスは阿部の控え、アンダーソン、セペタは故障でベンチから消え、さらに橋本、長野の離脱中は隠善、太田が、片岡の穴は井端が埋めるといった具合で、豊富な戦力を惜しみなく投入して戦力ダウンを補ってきた。

何度も書くことだけれど、読売はセリーグの他の球団と比較するとほぼ2チーム分の戦力を保有している。とりわけ外野陣の戦力は豊富で、高橋、アンダーソン、セペタ、橋本、太田、松本、長野、亀井、隠善と、読売の3つの外野のポジションには、他のチームのレギュラークラスが6選手いることがわかる。

内野は2塁に片岡(井端)、遊撃に坂本(井端)、3塁に村田(井端)と手薄になるが、一塁は阿部、ロペス、亀井、アンダーソン、捕手は阿部(小林)と豊富である。

打線の組換えも頻繁で、調子を落とすと、村田、ロペス、長野といった他球団なら不動のクリーンアップが7番、8番を打った。

前出のとおり先発投手陣も同様で、序盤の菅野―杉内―大竹―内海―(宮国→セドン)から、杉内−小山―沢村―内海−大竹にかわり、内海の故障中には今村、笠原らが先発したこともあった。

読売の豊富な戦力がシーズンを通してチーム力低下を抑え、首位を確保しているのがセリーグの現状であることはまちがいない。しかし、天王山と思われた8月末から9月初めの阪神、広島との戦いについては、阪神、広島の各選手に勝負に対する執念が感じられず、なにがなんでも読売に勝つという闘志・気迫が乏しかったことは誠に残念と言わざるを得ない。とりわけ、広島のエース・マエケンが読売の長打に屈し、先発2戦とも敗戦投手になったことは悔やまれる。

阪神、広島の戦いぶりをみると、読売の息の根を止めるべくあと1点が取れず、後半追い上げられて逆転負けするケースが多かったように思う。また、ミスによる失点や、ここ一番で読売の打者に有効打を屈するバッテリーの勝負弱さも目立った。セリーグの他球団の投手は、読売の打者の知名度や実績に気後れしている。読売のチーム打率はリーグ最低なのだから、慌てないで大胆に投げてもらいたい。

広島、阪神に比べると、読売相手に闘志をむき出しにして立ち向かう、中畑DeNAに魅力を感じるのは筆者だけだろうか。DeNAは読売に勝ち越している。年俸、知名度、実績において読売の各選手に劣るDeNAだが、闘志・気迫は素晴らしい。

もう手遅れかもしれないが、阪神、広島が読売に迫るには、DeNA各選手の気迫・闘志を見習うしかない。


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