ひどい壮行試合だった。相手は、五輪では日本と予選グループは異なるニュージーランド。この試合で得るものがあったは、ニュージーランドだろう。アウエーでおされながらも負けなかったのだから。
日本はチームになっていない。この期に及んでだ。これは監督が悪い。筆者は、関塚監督の手腕について常々疑問を呈してきたが、五輪出場を運良く果たしたため、更迭されずに本番を迎えてしまった。
チームになっていない現象は、攻撃面では、サイドと中の連携の問題としてあらわれた。サイドが上がってフリーでクロスをあげられても、その速さ、長さ、タイミングが中の選手とあっていない。これでは得点はあげられない。得点の核となるFWが定まっていない。大津がワントップというのは、彼の柏在籍中のプレーしか知らない筆者には記憶にないのだが。資質として、ワントップに合っていないように思うのだが・・・筆者はOA枠使用に反対していたが、使うのならば、広島の佐藤寿人選手を入れればよかったと思うくらいだ。
得点シーンを云々するのはサッカーでは意味がないとは思うものの、日本というよりも杉本に運があったように思えてしまう。換言すれば、日本は試合を通じて、チームが意図する形で得点をあげられなかったということだ。
守備陣の自陣での不用意なパス交換は問題外の凡プレー。しかも、失点シーン以外にも2回ほど危険なシーンがあったのではないか。失点の責任は村松選手にあるが、自陣でのDFのパス交換に規律がないことが五輪代表の欠陥だ。Jリーグのペトロビッチ監督の浦和、森安監督の広島のDF陣の集中力――覚悟を見習うべし。
では本番ではどうなのだろうか。まず、スペインは攻撃的サッカーを仕掛けてくるだろう。そのときは、日本はこの試合のようなポゼッションは絶対に不可能だ。トゥーロンでも、トルコ、エジプトのような攻撃性のあるチームに打ち負けている。本番では、ホンジュラス、モロッコはスペイン以外から勝ち点3をあげたいと思うから、日本に対しては攻撃的にくる。DFのミスは命取りだし、OFの決定力不足は予選突破を難しくする。
不可解な采配もあった。けが人や病気などの理由以外で出場する機会のないバックアップメンバーのFW山崎やMF米本を、正規メンバーのFW斎藤より先に投入。斎藤は後半36分にようやく出場した。関塚監督は「後から入っても計算が立つ。彼の良さを見たかった」と切り札的起用をしたかったと説明したという。そもそも、この壮行試合はなんなのかということだ。 そればかりではない。試合終了後、GK権田がミスをしたDF村松に詰め寄るシーンがネット上に動画として流れている。サポーターも呆れたことだろう。そもそも、終盤まで1−0の僅差でもつれたのは、大量点の機会があったのに決められなかったことが主因。そのことを棚に上げて、試合後、公衆の面前で切れて、ミスした選手をとがめるのは問題外。控室でやるべき行為だ。GK権田は代表選手、人間として失格だ。GK権田をここまで増長させた責任は監督にある。
なにもかもバラバラな、五輪代表に期待できない。繰り返すが、チームに規律をもたらすことのできない関塚監督にすべて責任がある。関塚監督を更迭すべきなのだ。
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