2012年06月13日(水) |
情けないけど(オーストラリア戦) |
これがアジアサッカーの実態なんだな。W杯アジア最終予選B組最高峰の一戦だと報道されたオーストラリアvs日本だったが、すべてにわたってアジアサッカーのレベルの低さをさらけ出したものだった。
まず、TV映像からも認められるピッチ状態の悪さ。いたるところ芝が剥げて、凸凹で硬さそうな地面が露出している。ピッチの整備くらいしてほしい。
第二に、公正なジャッジが期待される主審は、イエローカードを出す基準が曖昧で、しかも感情的に笛を吹く。スタジアムの応援の高まりに呼応して、ホーム・オーストラリアに甘いジャッジが続く。その極みが、ペナルティー内で内田がとられたファウル(→イエロー→PK→日本失点で同点)。オーストラリア選手が2枚のイエローで退場になっていたので、いずれ日本のだれかが退場処分になるなとは思っていたものの、PKまでつけたのは、ホームチームに対するサービスのしすぎだろう。
試合内容はどうだったのか。相手オーストラリアは、W杯ドイツ大会(2006)のレギュラーがいまだに主力を構成する高齢者軍団。若手の台頭がまるで見られない。このままなら、オーストラリアはアジアでも没落する。そんな彼らの試合運びは粗野な肉弾戦、空中戦が専門。ロングボール、クロスをゴール前に放り込んで、こぼれ球をめぐる混戦から突進という、ラグビー流。日本はオーストラリアの高さとパワーに屈して、主導権を握られた。前半、日本が無得点でしのげたのは奇跡に近い。
予選2試合で大量得点をあげた日本の攻撃は、オーストラリアの「まとも」な守備の前にシュートが打てず、ドローという結果は、「ツキ」があったというほかない。一対一で勝負できたのは本田くらい。香川が俊敏性を生かして相手守備陣を外したシーンもあったが、ゴール前の決定的場面というわけではなかった。
試合を通じてもっともハラハラしたのが審判の笛(ジャッジ)という情けなさ。挙句の果てに、試合終了間際、アディショナルタイムを計測していない主審が、日本のゴール前の直接フリーキックをセットさせながら、蹴る前にタイムアップの笛を吹くというお粗末な幕切れ。観客は金を払っているのだから、蹴らせればいいではないか。
これがアジアのサッカーの実態なのだから仕方がないとはいえ、「老害」オーストラリア、「絶好調」日本、「気まぐれ」審判の三者がドタバタを演じた三文オペラは1−1の痛み分け。筆者は、ハイレベルのサッカーが見たいのであって、審判を見たいわけではないんだ。
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