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2010年02月04日(木) この時期のこの相手,

しかも主力不在となれば、レベルの高い試合を期待するほうが無理とは言え、それにしても、低調な試合であった。日本代表の攻撃陣は、ちょっと強いDFにあうと、まるで攻撃の形がつくれなくなる。

相手はW杯南米予選を突破したことのないベネズエラ。FIFAランキングは50位。日本と同様、来日した代表選手はほとんどが国内組であるという。同国のサッカー事情にはまるで疎いため、個々の選手の力量、技術水準について評することはできない。来日したベネズエラ代表チームの印象を大雑把にかつ一般的に表現すれば、繰り返しになるが、厳しい守備で日本の攻撃を封じた、となるのであろう。

だが、ベネズエラの守備が堅固であるとしても、この国は、昨年のW杯南米予選では参加10国のうち8位(下から数えて3番目)、しかも、W杯南米予選を一度も突破できていない。アジアと南米の実力の違いがあるとしても、日本代表の戦いぶりはふがいない。

W杯イヤー・2010年の蓋明けの1試合だけをもって、短絡的といわれることも覚悟の上で敢えて申せば、岡田ジャパンが行ってきた代表チームづくりはアジア仕様に適合するものの、世界レベルには到達していない。世界仕様に及ばない最大の点は、まずもって、個々の選手の実力である。フィジカル、技術、闘争心、判断力とりわけ各人が自分で局面を切り開こうとする意欲と創造力に劣るのである。この期に及んでどうすることもできないが、係る現実を直視して、指導者は謙虚な目標を掲げるべきである。

二点目は、これは多くの専門家が指摘している通り、先発したSBの力不足である。右SBの先発を徳永、内田、駒野の3人で争う構想のようだが、駒野の実力が優っている。内田は岡田監督が発掘した人材、徳永は大学の後輩と、実力以外の要素が加わっているのが気になるところだ。

三点目も多くの専門家の意見と違わない。岡崎、大久保の2トップの先発起用に係る疑問である。モダンサッカーでは、前線でボールを預けられる選手が必要。この試合の場合であれば、平山先発(本番では森本らとの選択)が正解ではなかろうか。これまで巻がこの役割を担ってきたが、巻の調子は上がらない。

岡崎、大久保が前線でポストプレーをするタイプとは思えない。2人がゴールに向って走りこむタイプならば、SBが上がらなければ、得点チャンスは生まれない。テレビ解説のS氏が指摘しておらえたように、「FWが引きすぎて、中盤になって」しまっているのである。さらに、FWが「相手CBを脅かさない」から、「相手CBが怖さを感じない」。となれば、ベネズエラDF陣に余裕が生じ、得点シーンはますます生まれない。

このビデオを見たW杯グループ予選の相手国(オランダ、デンマーク、カメルーン)は、日本が厳しい守備にまるで弱いことを考慮した作戦を立ててくることだろう。


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tram