2009年12月06日(日) |
日本のベスト16は絶望的 |
W杯グループリーグの組合せが決まった。詳細は別表のとおりだが、グループ別に1・2位突破国を予想してみよう。
(グループA)は、開催国南アフリカのホームの力を信じて、1位フランス、2位南アフリカと予想する。もちろん実力からすれば、フランス、メキシコとするのが順当だが、ホームのアドバンテージをとりたい。
(グループB)は最も予想が難しいところ。南米予選におけるアルゼンチンは、とにかく安定性に乏しかった。マラドーナの監督としての適性にも疑問がある。代表選手選考にもビジョンがなかった。アジア代表の韓国にも希望があるが、1位ギリシャ・2位ナイジェリアとみた。
(グループC)は1位イングランド、2位米国で固いだろう。アルジェリアはアフリカ大陸の国だが、地中海沿岸のマグレブは、気候風土も大きく違う。準ホームとはいえないのではないか。
(グループD)はガーナの存在をどう考えるかであろう。ドイツの1位には異論が少ないと思う。2位をオーストラリアとするかガーナとするかで迷った結果、パワーとスピードを買ってガーナ2位。
(グループF〜H)は予想がしやすく、グループF=1位イタリア、2位パラグアイ、グループG=1位ブラジル、2位ポルトガル、グループH=1位スペイン、2位スイス、で波乱はない。
さて日本が入った(グループE)は、常識的に見て1位オランダ、2位カメルーンで固いところ。デンマークが曲者的な存在で、戦い方次第ではカメルーンと得失点差の2位争いを演じる可能性もある。日本の目標は、自国開催以外のW杯における「勝利=勝ち点3」をあげること以外にない。組合せ初戦で、アフリカ勢のカメルーンと戦うのも困ったもの。カメルーンに“ガツン”とやられ、グループEの「負け犬」に成り下がる可能性が高い。
組合せ抽選会では出場国各国の関係者が結果についてコメントしていたが、どこも対戦相手国に敬意を払って、勝ち負けやグループリーグ突破の可能性については慎重で控えめであった。いわゆる、「節度ある発言」である。そんな中、唯一、“ベスト4宣言”をしたのが、日本の岡田監督だったという。こういうのを「空気が読めない」「身の程知らず」「誇大妄想」というのであろうか。何を言ってもかまわない、という言葉の軽さが日本の風土にはある。政治の世界でも、マニフェストの軽さが問題になっている。目標は大きいほうがいい、夢を語れ・・・という具合である。
実力をわきまえず、大言壮語する指導者――岡田監督の“ベスト4宣言”というのは、大日本帝国のスローガンだった、「八紘一宇」「竹やり本土決戦」「鬼畜米英」に結びつく感じがする。とにかく、「いやな感じ」。
(グループA) 南アフリカ・メキシコ・ウルグアイ・フランス (グループB) アルゼンチン・ナイジェリア・韓国・ギリシャ (グループC) イングランド・米国・アルジェリア・スロベニア (グループD) ドイツ・オーストラリア・セルビア・ガーナ (グループE) オランダ・デンマーク・日本・カメルーン (グループF) イタリア・パラグアイ・ニュージーランド・スロバキア (グループG) ブラジル・北朝鮮・コートジボワール・ポルトガル (グループH) スペイン・スイス・ホンジュラス・チリ
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