おかしな大会である。アジアラウンドから準決勝までの大会期間、日本と韓国は4回も試合をした。アジアラウンドで日本は韓国と2試合、中国と1試合を行い台湾とは試合をしていない。
第2ラウンドが純粋トーナメント方式ならば、日本は準々決勝でキューバに勝ち、準決勝で韓国に負けたかたち。本来ならばここで終わりだったのだが、敗者復活戦で準決勝に勝ちあがった。その後に行われたのが、グループ1位決定戦で、ここでも韓国と戦い、日本が韓国に勝った。だが、この試合は無意味に近い。抽選でもいいくらいだ。第2ラウンドで、日本は韓国と2試合、キューバと2試合。アジアラウンド4カ国参加の場合、敗者復活方式よりも、グループリーグ総当りの1位、2位通過で十分だ。第2ラウンドも同じ。
さらに、もっとひどいのが、グループ分けの偏りだ。今朝のA新聞が取り上げたように、この大会を主催するMLB(米国大リーグ)が、野球が強い日本・韓国・キューバを同一グループに寄せ集め、米国の属するグループには、ベネズエラ1国を配した疑いがある。今日行われた韓国とベネズエラの試合で韓国が勝った。
日本の野球ファンは、準決勝までの間、韓国戦4試合、キューバ戦2試合を見せられ、準決勝で日本が米国に勝つとすると、決勝戦でなんと、5試合目の韓国戦を見せられることになる。まったくもって、うんざりである。
筆者は、WBCが投手の球数制限等の規制を設けたことを評価したが、グループ分け、敗者復活方式、1位・2位決定戦については評価しない。
そもそも透明性に欠けるWBC。次回参加するのであれば、若手中心(イースタン・ウエスタンクラス)で臨み、若手に経験を積ませるくらいの気持ちでいいと思う。MLBが主催しながら、MLBのチームはペナントレースを重視して主力選手を送り込んでいない。
日本プロ野球は、米国MLBがでっちあげた三流大会=WBCに対して、ナイーブ(うぶ)すぎる。北京五輪の惨敗をWBCでリベンジしたいという思いがあるのかもしれないが、北京五輪で勝ちたかったのならば、星野監督はなかった。これは結果論ではない。星野根性野球のレベルの低さについては、当コラムで何度も書いたので繰り返さない。
なお、北京五輪〜WBCに至る日本プロ野球界の迷走については、改めて書き直したい。また、かりに、二流メジャーリーガーで構成された米国に、ほぼベストメンバーで組成した日本が準決勝で負けるようだと、日本プロ野球も危うくなる。韓国に勝てない日本野球に内在する問題点についても、改めて、書き直す。
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