Sports Enthusiast_1

2006年03月19日(日) 誤審と自己陶酔

Jリーグ広島vs浦和の前半26分、ボックス近くでジニーニョ(広島)とワシントン(浦和)が交錯しワシントンが倒れた。ジニーニョにファウルの判定は可哀想だなと思っていたら、主審が一発でレッドを出した。ジニーニョはなんと、退場処分になってしまったのだ。
WBCでは一人の誤審が二度も「誤審」をしたが、筆者の推測ではあれは信念の「誤審」すなわち米国救済の確信的誤審だと思う。D審判の場合、米国ホームだが、ホーム優位の判定とも違う。前に書いたとおり、そもそも国際試合でチームと同じ国籍の人間が審判になることはない。それでも、WBCは同じ国籍の審判を起用し続けた。
だが、D審判の場合は、審判の適性がない。審判に不向きな人間が審判という職業についているというわけだ。不適格な人材を配置転換できないなんて、日本のサラリーマンには理解しがたい。米国の審判制度については、筆者の理解を超える。
さて、Jリーグのジニーニョ退場だが、これも誤審だ。TVでビデオを流していたので確認したが、交錯であってファウルではない。多少、ワシントンを手で押したようにも見えるが、押しても押さなくても、ワシントンがシュートを打てる体勢ではない。
誤審をした審判の心理を推測してみよう。おそらく、彼は自分の「公正さ」と「的確な判定」に自己陶酔に近い興奮を覚えていたに違いない。いままで目だったことのない自分が、やっとのことで、「歴史に残る」判定を下したと。「勇気ある」己の判断に胸が熱くなったかもしれない。しかも、イエローではなく、「一発レッド」だ。
審判の陶酔は危険だ。審判は自己陶酔を求めてはいけない。審判は最も目立たないことが、最高の仕事ぶりなのだから。
この試合は結局、浦和が大勝した。戦力的に上回る浦和が、10人の広島を圧倒したのだけれど、この試合を楽しみにして、苦労して貯めた小遣いでチケットを買ったサッカー少年には悲劇が訪れた。
いくら浦和が戦力的に上であっても、サッカーは試合展開次第ではどうなるかわからない。広島が闘志と運動量で浦和に一泡吹かせるチャンスはあった。少なくとも、ジニーニョが退場するまでは、浦和は無得点だったのだから。
審判がレッドを出せば、試合が壊れる可能性は高い。観客はハンディキャップ戦を高いお金で見せられる。たまったものではない。
もちろん、審判がレッドを出してはいけないとはいわない。出さなければいけないときもある。しかし、レッドは自己陶酔で出すべきではない。レッドは冷静に、そして、だれもが納得できる状況で出すものだ。オレが主役だ、選手はオレに従え・・・では、いい審判になれない。


 < 過去  INDEX  未来 >


tram