Sports Enthusiast_1

2006年03月17日(金) 誤審

これや酷い。WBCの米国とメキシコ戦で、日本戦で誤審をした、あの問題の審判・デビットソン(米国人)が、再び誤審をした。今度はメキシコの本塁打を二塁打と判定したのだ。どうしても米国に勝たせたい、信念の誤審というわけか。
勝負とは不思議なものだ。誤審で負けた日本が準決勝に進み、誤審を跳ね返したメキシコが予選敗退した。相手は共に米国だ。
WBCの審判制度が国際試合と程遠いことは先に書いた。また、誤審をもって米国の傲慢さを指摘しても始まらない。だから、「米国は危ない」と、反米知識人風に発言するのもはばかれる。ナショナリズムを克服することは、そう簡単ではないということをせいぜい、確認するにとどめておく。
WBCは、野球発祥の地(米国)で初めて開催された、プロ選手が集まった国際大会だ。五輪よりはレベルが高いが、サッカーW杯に比べれば淋しい限りだ。今回、本家・米国が予選で敗退した。筆者は、米国vsメキシコのゲームセットのシーンをTVで見ていて、東京五輪で日本柔道がオランダ(ヘーシンク)に負けたシーンを思い出した。柔道は東京五輪で初めて、正式な五輪競技となったのだが、日本国民の期待を裏切り、日本柔道はオランダに負けてしまった。しかし、日本の敗北をきっかけにして、柔道は世界に急激に普及し出した。野球もこれから先、柔道のように世界に普及するのだろうか。
野球が世界的規模で普及するためには、「デビットソン」がいてはいけない。もちろん、戦う国と同じ国籍の審判がグラウンドにいてはいけない。野球の国際化は米国が野球における単独行動主義を捨てるところから始まる。
結論を言えば、WBCは失敗だった。米国主導で国際大会が開催される限り、野球の国際化は不可能だと思う。サッカーにおけるFIFAのように、特定の国(たとえば米国)の影響から離れた自立した機関が創設されない限り、第二、第三の「デビットソン」が出てくる。米国が本家意識を捨てて一参加国として国際大会に出場するようになること――そのとき初めて、野球が国際的競技として認知されるはずだ。
筆者は、筆者が生きている間は、野球がサッカーを追い抜くことが絶対にないと確信した。WBCが野球のローカル性を国際的に明らかにしたともいえる。


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