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2005年12月14日(水) サンパウロに一日の長

世界クラブ選手権準決勝第1試合は、南米王者のサンパウロ(ブラジル)が3−2でアジア代表のアルイティハド(サウジアラビア)に競り勝ち、18日の決勝に進んだ。
接戦だった。筆者はサンパウロのようなスタイルよりも、アルイティハドの方が好みである。サンパウロに「一日の長があった」としかいいようがない。前半1−1に追いついたアルイティハドは40分前後、勝ち越すチャンスがあった。が、惜しくもゴールに結びつかなかった。アルイティハドは、この時間帯で勝ち越したかった。そして、それ以上にアルイティハドにとって残念だったのは、PKでの失点だった。やってはいけないファウルだった。これが事実上の決勝点になってしまった。
負けたとはいえ、アジア王者のアルイティハドは善戦した。少なくとも、前半終了まではアルイティハドが押していた。サンパウロが勝ったのは、ブラジルという風土でもまれ続けている選手たちの勝負強さ、そして、経験の差だろう。強力なアジア王者に対して、きっちりと結果を出してきた。素人の筆者には、スピード、パワー、規律の面でアルイティハドがサンパウロを上回っていたいるように見えるのだが、終わってみればサンパウロが勝っていた。ブラジルサッカーの「深さ」を見たような気がした。
アジア王者・アルイティハドは、いまのところ、日本のどのクラブよりも強い。そして、ブラジルのサンパウロは、接戦とはいえ、きっちりとアジア王者に勝ってしまう。これが世界サッカーの現実なのだ。何度も当コラムで書いてきたように、日本代表の実力に対する疑問である。W杯予選では、サウジ、韓国、イラン、日本とアジアのベスト4に入ったけれど、この結果は幸運に負った部分があった。勝負に運はつきものだけれど、日本サッカーって、ほんとに強いの?
2006年ドイツ大会はどうにか予選を突破できたが、2010年はどうなのか。アルイティハドとJリーグクラブの現状の差が、2010年まで開くのか縮まるのか――今後のACL(アジアチャンピオンズリーグ)の行方が日本サッカーの未来を占う指標の1つとなっている。ACLにおいて、Jリーグクラブは予選落ちなのだから・・・


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