Sports Enthusiast_1

2005年05月21日(土) 1リーグ制の方が・・・

周りにいる複数のプロ野球好きは、交流戦は面白いという。そんなものか。確かに、読売を1安打に抑えた西武西口のスライダーは驚異的だった。打たれた後の表情も良かったし、試合後のテレビ出演でみせたキャラクターも好感が持てた。その西口からたった1本(ホームラン)のヒットを放ったのが読売の天才・清水だったことも印象的だった。序盤、この天才をベンチに座らせていたのが、「痴将」堀内監督だ。堀内は監督を辞めた方がいい。
読売vs楽天の「最下位決定戦」も滑稽でおもしろかた。読売が二軍と試合をしているような雰囲気だった。ほかにも、普段見られない組み合わせがあって、プロ野球ファンには納得できるコンテンツなのだろう。
もちろん、交流戦は、筆者にはなじまない存在だ。オープン戦のような、公式戦のような、真剣勝負とはいうものの、覇権を争わない者が戦う意味が見出せない。順位に影響するといわれても、それは数字的に言えても、勝負としてはちがうだろう。
日本のプロ野球界では、選手の流動化がまったくないに等しい。米国のメジャーならば、ランディジョンソンがNYヤンキースにきたり、ソーサがカブスを去ったりと、チームの顔ともいうべき主力選手の移籍はあたりまえだ。だから、今年見られない投打の組合わせも、来年まで待てば実現する可能性が高い。それでも、メジャーが交流戦を行うのは、フランチャイズが確立されているためだ。「都市」と「都市」の新鮮な組合せを楽しむためだ。ニューヨークにおける、ヤンキースとメッツの戦いが地下鉄シリーズと呼ばれ、サッカーならばニューヨークダービーで盛り上がるのが代表例だ。「ダブル松井」の日本人対決のおまけまでついた。
筆者は交流戦に反対だったし、いまでも反対だ。米国のようなフランチャイズ意識の希薄な日本では、交流戦の意味がない。選手の流動化のない日本では、1リーグ制のほうが現実に合っている。1リーグ制を主張したのは、当時読売球団オーナーのW氏だったが、世間の糾弾にあって彼のアイデアは実現しなかった。オリックスのMオーナー、西武のTオーナーも1リーグ制同調者だったようだが、西武が来年以降球団を持つ可能性は極めて少ない。西武ライオンズの売却もあり得るし、楽天と西武の合併もあり得る。オリックスもしくはヤクルトがどこかと合併する可能性もあり得る。今シーズン誕生した楽天の惨状からわかることは、新球団が軌道に乗るには(経営的にではなく戦力的な意味で)、おそらく3年以上が必要となるわけだから、新球団を誕生させるよりは、統合により、来季、10球団に減る可能性の方が高い。ということは、交流戦で広がった新たな組合せ(=新コンテンツ)を真剣勝負に拡大すれば、日本プロ野球も延命できる。
日本シリーズやオールスター戦に代わるアイデアなど腐るほどある。たとえば、1シーズン制トップチームをリーグ戦チャンピオンとして顕彰し、さらに2位と3位のプレーオフで勝ち上がったチームと戦わせて、日本シリーズにしてもいい。つまり、1シーズン、優勝カップが2つあるというわけだ。あるいは、西日本、東日本の地域のトップが戦ってもいい。前期・後期でもいい。ファンがを投票で制度を決める手もある。
同時に、現在の二軍を独立採算にして、新しいフランチャイズを求め、マイナーリーグを運営すべきだ。マイナーが確立すれば、サッカーのような二部との入れ替え制度の導入もあり得る。読売のように、相手に戦力を渡さぬよう、選手を使わずに保有することは許されない。そのような愚かな球団が存続できないよう、厳しいファンの監視が必要となる。ファンの代表がコミッショナーということになる。


 < 過去  INDEX  未来 >


tram