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2005年02月19日(土) シンプルに行け

A3で横浜マリノスが韓国Kリーグ王者の水原に1−3で完敗した。第一試合でも韓国の浦項と引分に終わっている。横浜にけが人が多く、レギュラーを欠いたこともあるが、JリーグはKリーグに勝てない。
勝てない理由はいろいろある。素人目にもわかるのは、韓国の圧力に抗しきれないことだ。とにかく韓国チームは厳しい。この試合、1−1で迎えた後半、水原がすごいプレッシャーをかけてきた。横浜はパスをつなごうとして相手にひっかかり、ボールを奪われて再三ピンチを招いた。浦項との試合も同じように押された。当コラムでしばしば指摘してきたように、Jリーグの「お嬢様サッカー」の弊害が現れた。
テクニックでは横浜の方が上回るのかもしれないが、サッカーはゴールにボールを入れればいいのだから、いくら華麗にパスをまわそうが、得点につながらなければ意味がない。
横浜で水原のプレスに耐えられたのは栗原だけだった。栗原は、横浜DFの若手のホープの一人として、楽しみな存在だ。レギュラーに定着してほしい。
相手が猛チャージをかけてきたら、どうすればいいのか。放送アナ氏が岡田監督の「シンプルにやるように」という指示を紹介してくれたが、解説の奥寺氏が「それが一番難しいんです」と笑った。さすが奥寺氏、サッカーの本質をご存知のようだ。
私たちはサッカーの難しさを知らない。どちらかというと、華麗なターンやオーバーヘッドキックに目がいく。何本も続いたパスやドリブル突破がすごいと思う。でも、個人技、チームプレーを問わず、究極的にはシンプルにできることが、勝利への近道なのだ。
水原と横浜の試合を見ていて、私は先の北朝鮮との戦いを思い出した。猛チャージをかけてくる北朝鮮に対して、ジーコは「ボールキープ」を指示したらしいが、この場合、監督の指示としては岡田氏の「シンプルに行け」が正解。私は心配症なんだろうか、どうもジーコが代表監督だと落ち着かない。戦術的な誤りがも多すぎるような気がしてならない。日本代表がリードしてから、「シンプル」に展開していれば、あれだけ苦戦することはなかったのかなと思うと同時に、日本代表が「シンプル」に展開する練習をしたことがあるのかな、と心配になってしまった。
そればかりではない。かつてジーコが打ち出したのは、「黄金の中盤」だった。いまではすっかり忘れられた陣形だが、中盤でパスばかりまわしていたら、プレスの強い相手の絶好の餌食だ。タテに向かって、とにかくシンプルに、早い攻撃ができる選手を代表に選ばなければ、この先、韓国との力の差は大きくなるような気がする。韓国に引き離されるということは、世界から引き離されることを意味する。アジア杯で優勝したものの、サッカーのレベルでは韓国のほうが上のようだ。
日本サッカーに必要なのは、スピード、パワー、そしてシンプルな展開――なんだけど、そういう方向を向いていないな、いまの日本代表は・・・


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