Sports Enthusiast_1

2005年01月22日(土) 「球春」のはずだが

いつもなら年が明けると、球春と称して、プロ野球の有名選手の自主トレなどがスポーツニュース等で放送されるはずだが、今年は見かけない。いつもどおり放送されているのかもしれないが、私の目と耳にはとどかない。そもそも、今年のプロ野球は、昨年の騒動がおさまってしまった後、まるで潮が引くように人々の興味の外にいってしまった。話題の新人は・・・新球団は・・・大物外国人は・・・なにもかもが白々しい。
来月になってキャンプに入れば、そこそこテレビも取り上げるのだろうが、昨年でプロ野球は事実上終わってしまったようだ。でもこれが、普通の状態なのだろう。人々が「巨人」に注目し、スポーツマスコミが「巨人」の選手ばかりを取り上げて、1番から8番までホームラン打者だ、メジャー級だ、と虚報を繰り返し、今年も優勝まちがいなし、なんてOB解説者が「球春」を盛り上げていたのが昨年までだったのかもしれない。そうした報道が、プロ野球を不健全にしていたのだ。コミッショナーに権限がないとか、オーナーに経営感覚がないとか素人だとかと言う前に、スポーツマスコミ自らがまずもって、自分達のこれまでのプロ野球報道のあり方を反省すべきなのだ。スポーツマスコミが「巨人」偏重の報道姿勢を是正し、選手の技術・技量、姿勢、そして、試合内容、監督の作戦、選手起用に重点を置いた取材と報道をしておれば、「巨人」人気や「巨人」一極集中も起こらなかった。
スポーツマスコミは、ファンがマスにではなく、ローカルに特化されれば、新聞の販売数は少なくなってしまう。一方、全国区の「巨人」人気に依存すれば、販売数は伸びる。それが、日本のスポーツマスコミの実態だった。日本のスポーツマスコミこそ、「巨人」と一心同体・運命共同体だったのだ。
巨人幻想が消えた今、スポーツマスコミがプロ野球をどう報道するのか。彼等がスポーツの専門家として、スポーツ報道に徹することができるかどうか。スポーツマスコミの見識こそが問われている。


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